映画解説

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タイトル パンガ?パンガ!
韓国公開年 2010年
出演者 キム・イングォン キム・ジョンテ シン・ヒョンビン チョン・グックァン
監督 ユク・サンヒョ

【 映画紹介 】

『パンガ?パンガ!』は、外国人労働者に成りすまして仕事にありついた男が繰り広げる、笑いと感動のヒューマンコメディーです。

顔もいまいち、これといった特技もなく、どんな仕事をやってもうまくいかない男。なかなか仕事先も見つけられない男は、「外国人労働者求む!」という募集を見て、思い余って、「ブータンから来た」と偽って働き始めます。東南アジア各国から働きに来ている仲間たちに最初はなじめなかったものの、ある出来事を機にどんどん外国人労働者たちのヒーローになっていくのでした。

韓国における外国人労働者の哀歓がユーモラスに織り込まれ、負け組の主人公の涙ぐましい奮闘記が描かれています。

メガホンを取ったのは『だるまよ、ソウルに行こう』のユク・サンヒョ監督で、監督の手による脚本は百想芸術大賞でシナリオ賞を獲得しました。

『TSUNAMI』『美男<イケメン>ですね』などでのコミカル演技でおなじみキム・イングォンが初の主演を飾り、はったりをきかせた達者な演技で今回も大いに笑わせてくれます。『ミスリプリー』で悪役だったキム・ジョンテもずうずうしいまでの押し出しの強い演技で憎めない役どころを演じています。またベトナムから来た女性を『ペク・ドンス』のシン・ヒョンビンが演じていて、百想芸術大賞で女子新人演技賞を受賞しました。

この作品は、韓国で公開された時にスマッシュヒットとなり、映像物等級委員会が選ぶ2010年の「今年の最も良い映画」にも選ばれました。

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ユク・サンヒョ監督は、笑いの中にも、外国人労働者たちも自分たちと似た近しい人々なんだというメッセージが伝わってほしいと語っていましたが、まさにその外国人キャストたちがとってもいい味を出していました。チャーリー役とマイケル役は俳優でしたが、歌のうまいアリ班長役は、KBSの全国のど自慢大会で外国人として初めて優勝した人に声を掛けたそうですし、ラジャ役は、もともとはインドネシアの大学の教授で、韓国の大学院に勉強しに来ていたところを、この役にスカウトしたのだそうです。今回の作品に限らず、最近は映画の中で外国人キャストがしばしば登場するようになり、外国人滞在者が増えてきた現状を反映するとともに、作品に多彩な面白味を与えています。