映画解説

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タイトル 愛の運命‐暴風前夜‐
韓国公開年 2010年
出演者 キム・ナムギル ファン・ウスレ ユン・ジェムン チョン・ユンミン
監督 チョ・チャンホ

【 映画紹介 】

『愛の運命‐暴風前夜‐』は、愛に裏切られた女と、愛のために傷を負った男が、海辺のレストランを舞台に繰り広げる愛の物語です。

妻殺しの冤罪を晴らすため命がけで脱獄に成功した男。でも、自分を冤罪に追い込んだ復讐の相手は命を絶ってしまいます。限りある命を抱え、絶望した男は、立ち寄った海辺のレストランで、やはり孤独に生きる女と出会うのでした。

『ピーターパンの公式』で海外の映画祭でも高く評価されたチョ・チャンホ監督作品。

主人公たちの孤独さを際立たせるような、雰囲気のある乾いた叙情性を感じさせる映像美が印象的です。済州島の美しい自然が、周囲と断絶したようなファンタジックな世界を作り出し、男女の残酷で運命的な愛を、豊かな感受性と繊細な演出力で表現した作品だと評価されました。

タイトルのように嵐の前のような静けさが、その後に起こりうる激しさを想像させ、漂う緊張感が見る者をゾクゾクさせる作品となっています。

『善徳女王』でブレイクしたキム・ナムギルが、過酷な運命を持つ主人公を演じるに当たり14キロ減量して、どこか冷めたところのあるロマンチックガイに扮してニュアンスのある演技を見せています。『ミスニンジン』や『過速スキャンダル』のファン・ウスレがヒロインに扮し、『アイリス』などの個性的な助演ユン・ジェムンらが出演しています。

tashiro

キム・ナムギルは『善徳女王』の撮影に入る前にこの『暴風前夜』の撮影を行っているのですが、まだブレイクする前だっただけに、最初は劇中に出てくるゲイの男の役の方をオファーされたそうです。でも以前にも『後悔なんてしない』でゲイを演じているだけに、同性愛をその時以上に新鮮に表現できる自信がなかったとして断ったそうなんですね。そして、では主人公はどうかと再び提案され、作品自身には惹かれていた彼はもちろんすぐに出演を決めたそうです。