映画解説

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タイトル 夏物語
韓国公開年 2006年
出演者 イ・ビョンホン スエ オ・ダルス イ・セウン
監督 チョ・グンシク

【 映画紹介 】

『夏物語』は、時代の悲劇のせいで別れなければならなかった、生涯忘れえぬ恋を描いたラブストーリーです。

60代の大学教授のユン・ソギョン教授(イ・ビョンホン)は、ある日放送作家の仕事をしているかつての教え子の訪問を受け、番組企画で、先生の初恋の人を探しましょうとの申し出を受けます。「先生にはひと目会いたい人はいませんか?」その問いかけに、ユン教授は学生時代の忘れえぬ恋人のことを思い出すのでした。

メインとなる時代背景は、軍事政権に反対する学生運動の激しかりし1969年の夏。政治にさほど興味もない大学生ユン・ソギョン(イ・ビョンホン)が友達に誘われるまま農村ボランティアとして村を訪れ、そこで村の娘(スエ)と出会います。初夏のさわやかな風のように始まったひと夏の出会いが、生涯一度の忘れえぬ愛へと変わり、そして時代の荒波の中で思いがけない結果になっていくのでした。

監督は『品行ゼロ』でデビューしたチョ・グンシク監督の2本目の作品です。

トップスターのイ・ビョンホンが100本を越すオファーの中から、一人の人間の愛と人生の物語の中に淡い思いがしっかり描かれているところが気に入ったとして出演を決意。60歳を超えた大学教授と20代の大学生を演じわけています。そしてヒロインは、台本を読んで顔が浮かんだとイ・ビョンホンから指名されたスエが扮し、深みのある情感たっぷりの演技を見せています。

春史大賞映画祭で、作品賞、監督賞、オ・ダルスの助演男優賞、イ・セウンの新人女優賞、音楽賞と最多の5部門を受賞しました。

tashiro

主演のイ・ビョンホンいわく、‘純情’というものが存在した時代の深い愛の物語でした。イ・ビョンホンは懐かしさあふれるストーリーに共感し、心が大きく動かされてこの作品への出演を決めたとのことですが、『バンジージャンプする』がお気に入りということも含めて、数多くのオファーの中からこうした作品を選ぶというのは、やはりイ・ビョンホンはとってもロマンチストなんだなあと思いますね。