スター列伝・スターコラム
チャン・グンソク
ドラマ『美男ですね』の人気で、今や日本で大ブレイク中のチャン・グンソク。映画『きみはペット』の制作発表セレモニーで茨城空港に3000人を集めて熱狂させたことでも大きな話題になった。
しかし、さかのぼること4年前、日本映画の『着信アリFinal』でとうに日本進出していた。その時にプロモーションで来日した彼に初めてインタビューをした。
6歳のころから芸能活動をはじめ、中学の時、携帯電話のコマーシャルで一躍注目を浴びたスター。順調に来たかのように見えて、彼なりにほかの俳優に後れを取っているというコンプレックスを持った時期もあったそう。そんな経緯を経てちょうど数えで20歳を迎えたところだった。そのせいか、自分はもう大人なのだからこれまで以上にしっかりしないと…という自覚がひしひしと伝わってきた。そして語った。「これからはもっと責任感をもって、しっかり俳優の位置に入っていけるように、‘チャン・グンソク’というブランドを開発していく必要があると思います。旅行に行ったり本を読んだりしていろんな知識を身につけて幅広い人間になりたいです」と。なんとしっかりした青年か、と感心したものだったが、その言葉通り、彼は着実に成長してきた。
日本語も、もともと中学時代から好きで勉強していたのに加え、2年前には日本に短期ではあるが、日本語留学した。仕事が乗り始めて忙しい時期にもかかわらず、将来の自分への投資だという考えで実行に移したのだ。
俳優としても研究熱心で、『快刀ホン・ギルドン』も『美男ですね』も、美しくもちょっと独特なビジュアルなのだが、それも彼が役のイメージを考え抜いて自分で作りこんだものなのだそう。昨年、『美男ですね』のイベントの時、私は司会を務めたのだが、チャン・グンソクは、自分が出る場面について積極的に意見を出して的確に指示を出していた。4月末には歌手として日本デビューも果たし、その勢いは止まらない。それも、日ごろからの着実な努力が実を結んでいるのだなあと改めて頼もしく思うのだった。
※2011年6月号「私の時間」(ヒロ・コミュニケーションズ)より
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略 歴
子役のイメージを払拭する転機となったのは、2006年のドラマ『ファン・ジニ』。ファン・ジニの初恋の相手を演じて強い印象を残し大人の俳優への脱皮を図りました。
2007年から2008年にかけては『楽しい人生』で百想芸術大賞やディレクターズカット授賞式で新人賞を受賞したほか、『ドレミファソラシド』『待ちくたびれて』『赤ちゃんと僕』と公開作が相次ぎ、ドラマでは『快刀ホン・ギルドン』『ベートーベンウィルス』と話題作に立て続けに出演して存在感をアピールしました。
その後は日本に短期留学して語学の勉強をしたほか、実際にあった事件を元に描いた映画『イテウォン殺人事件』で、不気味で不敵な容疑者役を演じました。またラブコメドラマの『イケメンですね』ではアイドルバンドのリーダーを演じて、得意の歌声を存分に披露し、ますます人気を集めました。
(2004年に「チャン・グンソクのヤングストリート」というラジオ番組を持ち、ラジオ最年少DJに抜擢されたこともあり、しゃべりのうまさには定評があります。)
昨年末のSBS演技大賞では司会を務めるなど、何をやらせてもうまいエンターティナーです。
(2010年4月)