イ・ゴンミョンコンサート – 田代親世の韓国エンタメナビゲート

ミュージカル

ミュージカル一覧に戻る

イ・ゴンミョンコンサート

 

5日の日は夢友主催の
イ・ゴンミョンさんのコンサートでした。
大作の難曲をたくさん歌ってくれて、
聞きごたえのある素敵なコンサートでした。

トークがまた面白くて、
私は司会を務めたのですが、
私自身ミュージカルのオタクファンなので
かねてから気になっていたことなど
いろいろ聞いてしまいましたが、
イ・ゴンミョンさんは本当にどんな質問にも
誠実に丁寧に答えてくれて、
しかもところどころ実演付きでとても面白かったです。

内容はあまりにもたくさんありすぎて、
書ききれないので
印象的だった一つだけ挙げますと。
創作ミュージカルの話で、
開幕してからもいろいろと手直しを加えていったりするのか?
と聞いた時、
『フランケンシュタイン』について、
「幕を開けてからではないけれど、
リーディングからずいぶん変わったことはあります」
と言って以下、具体的に話をしてくれました。

リーディングをしたとき、
1幕を終えた時にはみんなから拍手が出るほど
「これはいいね」という反応だったのに、
2幕を終えた時には
俳優たちも誰も目を合わせようとしない感じで
雰囲気が微妙だったそう。

それで同じビクター・フランケンシュタイン役を演じる
ゴンミョンさんとリュ・ジョンハンさんは飲みに行って
「2幕どうすればいい?」と話をしていたら
10分後に、やはり同じ役をやるユ・ジュンサンさんから
電話があって「2幕どうするべきか?」と。
そうしていると今度は脚本を書いた演出家から電話があり
「2幕どうすればいいだろう?」と聞いてきたので、
それからは俳優も演出家も一緒になって何日もかけて
話を練り直し作り上げたのだとか。
出来上がったときにはみんなで手を叩いて完成を喜んだそう。

一人二役の部分も、やるバージョンにしたり、
やっぱりやらないようにしよう、となったり、
試行錯誤があって、結局やる形に落ち着いたと。

こんな風に聞くと、
どれだけ違う2幕だったのか興味がわきますね。
「どんなだったんですか?」と聞いたら
「忘れました~」と。
これはうまくかわされたのかもしれませんが(笑)、
ともあれ、初演の俳優さんたちは、
ただの出演者にとどまらず、
作品の生みの親のようなものでもありますね。

ところで、イ・ゴンミョンさんの
温かいナイスな人柄にはいろいろと学ぶものがありました。

それはステージ上のトークにも随所に現れていましたが、
私がこの日、最も印象的だったのは
一部と二部の間の休憩時間での出来事でした。

一部でゴンミョンさんのトークに
通訳を入れるタイミングが合わない場面が所々あったのです。
なので通訳さんが「タイミングが合わなくてすみませんでした」
と言ったところ、
「そんな気にしないで、僕たち初めて会ったんだから、
うまく合わなくたって当然だよ。
大丈夫、夜の部は2回目だから
もっとうまく合うようになるよ!」
と、通訳さんを温かく包み込むように、
さわやかに励ましの言葉を添えてこう言ったんです。
その場の空気がフワーと前向きな明るいものに変わりました。
私はその光景をまじかで見てなんか感動しちゃいました。

一事が万事、イ・ゴンミョンさんはきっと
ミュージカルの稽古場でも、
ミュージカルに初挑戦する
緊張でガチガチのアイドルたちを包み込み、
励ましているんだろうなと容易に想像できました。
だからアイドルが何人も出演する作品には
ゴンミョンさんが絶対必要に違いないと思ったくらいです。
スーパージュニアのソンミンは
一から十まで何でもかんでも聞いてくると言って
笑っていましたが、
こんな温かい頼れる兄貴が現場にいたら慕っちゃいますよ。

 

これまで20年、ミュージカルの世界にいて
腹立たしいことも多々あったと思いますが、
「経験上、怒ってうまく解決したためしはなかった」
ということで、
笑顔で友好的に人と接することを心掛けているそうです。

ほかにも、楽屋をカーテンで仕切っていて、
ゴンミョンさんがスタッフのところを通るとき
ノックして出入りしていたので、
「ノックしないで行き来してくださって大丈夫ですよ」
と言われても、
「ノックなんてたいした手間じゃないから~」
とこれまたさらりと言うのです。

いやあ、本当にデキた人だなと思いました!

コンサート終了後の囲みの取材で飛び出した話ですが、
ソングスルーの作品(セリフがなく、全編歌で綴られる作品。
『エリザベート』『レ・ミゼラブル』『モーツァルト』のような)
は日本からオーディション受けてみないかと
オファーがあるそうです。
で、『フランケンシュタイン』が日本で上演されると決まって
やりたいなと思ったそうですが、
「『フランケン~』はセリフも多いので外国人がやるには壁が高い。
でも日本で再演があるなら、1、2年の時間があるので
あらかじめ台本を入手して
しっかり日本語セリフも練習して
オーディションに臨みたい気持ちが強くあります」
と答えていました。

 

そして、5月に韓国で上演したばかりの
『インタビュー』は9月に京都公演、
来年1月に東京公演が予定されているとのことでした。
でもまだ95%決まりだけど…ということらしいです。
それでも発表しちゃうのが韓国ですね(笑)
それにしてもゴンミョンさんは来日公演が多い方ですね。
それだけ日本と縁があるんだなと思いました。

 

(2016年06月09日執筆)