ミュージカル

ミュージカル一覧に戻る

チェ・ジェリムコンサートは至福の歌声だった!

 

(c)韓流ぴあ

 

昨年の夏、
韓国の『ジーザス・クライスト・スーパースター』で
ユダ役とジーザス役の両方を見事に演じ切り、
大注目されたミュージカル俳優チェ・ジェリムさん。
そんな彼の
日韓通じて初のソロコンサートが4月3日に開かれ、
司会をしました。

 

いやあ~、もう~、
ジェリムさんの歌があまりにも素晴らしく、
もう終わって数日たつのに
いまだに余韻が残るほどです。

『ジーザス~』の曲をメインにした
選曲がまた素晴らしかったのですが、
ハードな曲も多かったので、
練習している段階で、
こんなきついセットリストにしてしまって
ちょっと後悔したこともあったそう(笑)。
でも、コンサートのオファーをいただいて、
とっても驚いたしありがたかったので、
招待してくださった分、
恩返しをしなくてはとがんばったそうです。

(c)韓流ぴあ

 

打ち合わせの時には
「最後の「スーパースター」の曲で立つのを促したら
皆さん立ってくれるでしょうか?」
と心配そうに言うので、
「大丈夫です、この曲なら立ちますよ!」と。
日本人は相当おとなしいと思われているみたいでした。
終わった後の感想でも、
「予想以上に盛り上がってくださって良かったです」
と言ってましたから。

お客さんが咳ひとつせずにすごく集中して聞いてくれていたと、
日本の観客の成熟したマナーにも感心していました。

(c)韓流ぴあ

 

今回は、女優で音楽監督で演出も手掛け、指導者でもある
ジェリムさんの師匠、パク・カーリン先生も来日。
ものすごいカリスマのある怖い人というイメージだったのですが、
笑顔が優しい方で、
打ち合わせの時から
「今回はジェリムのコンサートだから~」と
一歩も二歩も引いていて、
でも意見を求められると言うべきことはちゃんと言う
という姿勢を貫いていて素敵でした。
しかもこんなこと言ってすみませんね~、
という感じの柔らかい物言いで。
日本のスタッフに迷惑かけてはいけないとでもいうように
常に遠慮がちだったのがすごく印象的でした。

ただ、カーリン先生は、演出したり音楽監督したりという仕事となると
一気にカリスマ発揮となるようです。
今度は、自身が演出を手掛ける日本公演の『Mr.SHOW』で
来日するそうですよ。

今回は『エアポート・ベイビー』の作家さんも含めて3人でいらしてて、
それぞれが仕事の時はこうしてお互いがサポートしあう
家族のような芸術家集団という素敵な関係性の方々でした。
ジェリムさんは良いメンターに囲まれているんですね。

そんなカーリン先生が舞台の上で話してくれたのが、
ジェリムさんが、なまじ歌える人だから
「以前はどんな歌も容易く歌ってしまっていた~」と言ってました。
ご本人も「特に考えもせず歌を歌としてだけ歌っていたけど、
俳優の勉強を通して歌詞の意味を考えながら歌うようになった」
と自分の変化を語っていて、
その言葉が示すように、
このコンサートのアンコールで歌った
森山直太朗の「さくら」は
日本語の発音が完璧だったのも素晴らしかったですが、
歌詞から伝わってくる思いに感動させられました。

 

あーこんなに素晴らしいコンサートを
世界中で300人しか聞いていないなんて、
なんてもったいなく、
なんて貴重なステージだったのでしょうか~。
これが生の舞台の一期一会なんですね。

(c)韓流ぴあ

 

で、チェ・ジェリムさんは、
歌が素晴らしいのに加えて、
キャラクターがなんともいい感じだったんですよね。
屈託なくて、堂々ともしていて、
どこか無邪気で、愛着がわく人でした。
そんな明るく楽しそうなエネルギーが
見る人を惹きつける魅力なんでしょうね。

打ち上げの席で、
「よく、『舞台を見る前は不細工だけど、
見終わるとハンサムに見える』って言われるんですよ~」
とジェリムさんがおっしゃるので、
「それってご本人的にはどうなんですか?」
と聞いたら
「嬉しいですよ」
「え、だって不細工って言われてるのに?」
「僕は自分がハンサムじゃないのはわかっているので(笑)」
とこれまた清々しい発言でした。

いや、もう、人は顔じゃないですから~(爆)。
人間力、魅力が大事!
そんな魅力がたっぷりのジェリムさんでした。

 

次回作は5月末から始まる
韓国初演の『エドガー・アラン・ポー』の主人公ポー役です。
で、なんとそのあとはまた大学院に復学する予定なのだとか。

え、いま追い風が吹いているのに?
と思いましたが、
3年間の課程のうち2年通って現在は休学中なので、
始めたことはちゃんとやり終えたいとのこと。
学校の勉強と舞台とは時間的に掛け持ちは難しいのだそうです。

しばらく見られなくなるなら
『エドガー~』は何度か通わなければなりませんね。

 

とにかく、今回コンサートに来られなかった人も、
韓国ミュージカルが好きなら、
「チェ・ジェリム」という名前を見たら
舞台を見ることを強力にお勧めします!

 

(2016年04月06日執筆)