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『フランケンシュタイン』に引き込まれる~

 

先月ソウルでミュージカル『フランケンシュタイン』を見ました。
とっても良かったです!

これ、イギリスの有名な小説を原作にして、
あとは韓国が独自に作り上げた創作ミュージカルなのですが、
ヨーロッパのライセンスものに引けをとらない完成度。

というより、比べてはなんですが、
前に見た『カルメン』よりも
内容もメロディーもよく出来ていると思いましたし、
なによりリピートしたくなる魅力がありました。

なんといっても音楽がいい。
印象に残る良い曲が少なくとも5~6曲はありました。
歌い上げ系の曲が多いので聞き所がたくさんです。
舞台転換も畳み掛けるように次々と進んでいき、
演出がスピーディーで心地よい。
見せ場も多いです。
そしてみんな歌も演技も上手い~!!!

生命の誕生に固執してそのせいで多くのものを失った
ビクター・フランケンシュタイン博士。

一方の怪物も勝手に生み出されたのに
忌み嫌われ虐げられ孤独と絶望を味わい
創造主である博士に復讐する。

なんと残酷な運命にさらされる2人なのか、
博士、怪物ともに、その痛ましさに胸が締め付けられます。

昨年日本で、東山紀之、坂本昌行主演の
ストレートプレイの『フランケンシュタイン』を観ましたが、
それともかなり違いますし、
新たに作られた人間関係がとてもドラマチックで、
泣けるポイントにもなっています。

でも日本の舞台は原作小説に忠実に、
怪物がぎょっとするほど醜いメイクで
せっかくの坂本くんの顔が全くわからん状態だったのですが、
韓国ミュージカルの怪物はクビや腕、背中に、
つぎはぎメイクは施してありましたが
顔は美しいままだったのでホッとしました(笑)。
なので、なんだかロマンチックな感じなんですよね。


滞在中2回見て、
博士は2回ともリュ・ジョンハンで、
怪物をパク・ウンテとハン・チサンの両方で見ました。
どちらもいい!


ウンテさんはどちらかと言うと
静なる怖さと悲しさ・・・みたいな芝居で、
チサンさんはワイルドな中の不気味さと悲しさが
入り混じった芝居という雰囲気でした。

とくにチサンさんの、
怪物になって初めて動き出すときの腕の動かし方が
本当に人間じゃないみたいでゾクゾクっとしました。
私にとっては初チサンさんだったので
歌が上手いことにびっくり。
声の厚みが怪物になってからの演技に更にぴったりでした。

ウンテさんは『エリザベート』や『ルドルフ』などを見て
既にうまいことを知っていたので、
うんやっぱりうまいよねえという確認な感じ。
ウンテさんは助手役の物静かな美しい青年ぶりが、
佇まいからしてお似合い。
逆に怪物になってからは
歌声が澄んできれいすぎるかも。
まあこれは好みですね。

一回づつ見た限りでは、
個人的にはチサンさんの怪物をもう一度見たいと思いました。
2回とも、会場総立ちでした。

そして、これ主要キャストはみんな2役を演じているのですが、
ド派手な格好をしたリュ・ジョンハンのおねえキャラが
意外にも似合っていて、
楽しそうに演じてました。

さっきまでのクールで研究に取り憑かれている博士とは
全く違っているので、
登場した時は場内も一瞬
「えっ、あれがリュ・ジョンハン!?」
と驚く感じ。
ピカピカ光るつけまつげをつけていて、
バサバサと瞬きしながら「ヨボ~」って
甘えて言ってみたりして可愛かったです。
もちろん博士の時は素敵です!

ユ・ジュンサンの博士も似合っていそうで、
観てみたいですね。

 

 

(2014年04月01日執筆)