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『パルレ』(日本版)

 

 

韓国で生まれた創作ミュージカル『パルレ』が、

今、日本のキャストによって

三越劇場で公演されています。

 

『パルレ』は2005年に韓国で初演されて以来、

好評につき何度も上演が繰り返され、

今年の秋で2000回を迎えるという

大人気のロングラン公演です。


昨年この舞台を韓国で見た日本のプロデューサーが、

「これだ!」とひとめぼれをし、

日本キャストによる日本公演にこぎつけたという作品。

2月に上演されて、好評につき5月にアンコール公演がおこなわれ、

そして今回が3回目の公演となります。

 

実は、私が今大注目の、

『ドクトルジバゴ』や『ラ・マンチャの男』などに出ている、

と~っても歌がうまいホン・グァンホさんが、

以前、「僕『パルレ』が大好きでぜひやりたいんですよ」と直訴して

モンゴル青年を演じたと聞いて以来、

ホン・グァンホ氏がそこまで言うなら

ぜひ見てみたいと思っていたのです。

 

でもいつもなかなか韓国では時間が合わず、

ロングランしているから…とついつい終わりが早い作品の方を

見に行ってしまったりして見るチャンスがなかったのでした。

なので、今回が初『パルレ』でした。

 

『パルレ』とは日本語で「洗濯」の意味です。

作品は、日本に置き換えとかではなく、

まんまソウルの路地裏の屋根部屋が舞台で、

舞台セットの看板なども全部ハングルで書かれています。

田舎から出てきてソウル暮らしも5年目となる女性と

韓国の工場に出稼ぎにきたモンゴル青年のあいだに

芽生えていく愛を軸に、

下町の庶民の哀歓がつづられていく物語。

今まで深く考えもしませんでしたが、

洗濯ものって、その人たちの生活を映す鏡なんですよね。

そんな洗濯物をみんなの共用のひもに干していくことで、

会話が生まれ、暮らしぶりを知る。

会社で理不尽な目にあったり、

立場が弱いからといって不当な扱いを受けたり、

障害者の家族を抱えていたり、

それぞれが思うようにいかずに苦労もするし、

悔しい思いもしているけれど、

でも、それを分かち合う仲間がそばにいれば

前向きに暮らしていけるんだな…ということが伝わってくる、

「頑張ろう!」という気持ちにさせてくれる作品です。

とっても愛らしい作品とでもいいましょうか。

 

モンゴル青年の役を、今日は上杉輝さんで見ました。

純粋で初心なモンゴルの好青年が板についていて

まっすぐでピュアな感じがとてもよかったです。

モンゴル青年役はダブルキャストで、もう一人を

韓国ドラマのサウンドトラック歌手として知られている

JUSTさんが演じています。

歌のうまさはお墨付きですからJUSTさんバージョンも楽しみですよね。

 

公演は27日まで三越劇場でやっています。

 

 

(2012年08月23日執筆)