『仁寺洞スキャンダル―神の手を持つ男―』は、
朝鮮時代の幻の名画を巡って人々の欲がうごめいていく
美術ミステリー映画です。
朝鮮時代に実在した宮中画家、
安堅(アンギョン)の幻の絵「碧眼図」が発見され、
それを仁寺洞の骨董街を牛耳る
ギャラリー運営者のペ会長が手に入れます。
「碧眼図」は復元に成功すれば
オークションで400億ウォンもの値が付く貴重な絵。
ペ会長(オム・ジョンファ)は “神の手” と呼ばれる
絵の修復師イ・ガンジュン(キム・レウォン)をスカウトし、
復元作業に乗り出します。
1年がかりとなる復元プロジェクトの裏で、
ペ会長とガンジュン、そしてそのほかの人々の
欲望と思惑が様々に入り乱れていきます。
果たして絵の修復が終わる時、どんな結末が待っているのでしょうか。
仁寺洞はソウルにある有名な骨董街で観光客にも人気の観光スポット。
そこを舞台にした絵の複製と密売の詐欺ゲームを、
東洋画の修復過程を織り交ぜながら
テンポよく描いているのが面白いのですが、
役割分担をして一つのミッションを成功させていく様子は、
『オーシャンズ11』のような痛快さが感じられます。
脚本も担当したパク・ヘゴン監督のデビュー作です。
キム・レウォンにとっては兵役前最後の作品。
より成熟した洗練された男の姿を見せています。
オム・ジョンファは初の悪役で、
強欲で強烈なキャラクターを演じています。
彼らを取り巻く個性豊かなキャラクターたちのアンサンブルも
楽しい作品です。