映画解説

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タイトル 品行ゼロ
韓国公開年 韓国公開年 2002年
出演者 リュ・スンボム イム・ウンギョン コン・ヒョジン キム・グァンイル
監督 チョ・グンシク

【 映画紹介 】

『品行ゼロ』は、1980年代の高校生たちが繰り広げる、青春グラフティーです。

美容院を営む母と2人暮しの高校生ジュンピル(リュ・スンボム)は、けんかの強い伝説の番長としてクラスメートから恐れられている存在です。でも実は、溜まり場を管理したり、いかがわしい絵を売って小遣い稼ぎをしたりしている、愛すべき不良です。

女番長のナヨン(コン・ヒョジン)に好かれていますが、彼は隣の女子高のミニ(イム・ウンギョン)に一目ぼれしてしまい、ミニに近づくために、ミニが習っているクラシックギターをはじめたり、恋にうつつを抜かしているうちに、転校生に学校のボスの座を奪われそうになって、ついには決闘に至るのでした。

恋あり、ケンカあり、音楽ありの80年代の青春を、軽快に、荒唐無稽に描いた青春コメディーです。

ローラースケート場に集まったり、学校で化学兵器訓練をしたり、不法LPレコードが出てきたりと、韓国の80年代を代表するアイテムがあれこれ登場し、韓国のその時代をのぞき見る新鮮さと発見があります。

主役は、『クライング・フィスト』『ARAHANアラハン』などの若手個性派スターのリュ・スンボム。優等生ミニには、『リザレクション』、ドラマ『ボディーガード』のイム・ウンギョン、女番長には『サンドゥ学校へ行こう』のコン・ヒョジンが扮しています。

tashiro

『品行ゼロ』が作られた2002年は、他にも『夢精期(モンジョンギ)』『海賊、ディスコ王になる』など80年代を舞台にした青春映画が目立ちました。
いずれも20代後半から30代の監督の作品で、彼らの青春がちょうど80年代だったんですね。この『品行ゼロ』は厳密に言えば1983年が背景なのだそうですが、みんな私服ですよね。この時期、制服は日本が支配していたころの残り香だとして廃止となった時期でした。もっともまたその後になって、制服は復活しますが。他にも「禁止曲」という言葉も出てきますが、洋楽でセクシャルな歌詞を露骨に歌っているものなどがその対象となっていたということで、それでもファンはあのような海賊版を買って聞いていたのだそうです。