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サマリア

『サマリア』は、援助交際をする思春期の少女たちとその父親の心模様を描いた作品です。

親密な絆で結ばれている高校生のヨジン(クァク・チミン)とチェヨン(ハン・ヨルム)。チェヨンは、身体を売りながら男たちを仏教信者にしたというインドの娼婦バスミルダを自分になぞらえて、ためらいもなく援助交際をしてはヨーロッパ旅行の旅費を溜めています。そんなチェヨンのためにいつもホテルの下で見張り役をしているヨジン。

ある日ヨジンがちょっと目を離した隙に警察に入られ、ホテルの窓から飛び降りてしまうチェヨン。友を亡くしたヨジンは友の魂を慰めるために、チェヨンが援助交際をしていた男性たちに会い、チェヨンの代わりに一緒に寝てはお金を返していくのでした。

そんな、少女たちの世界だけで終わるはずの行為が、偶然ヨジンの父(イ・オル)が目撃してしまい、残酷な結末へと進んでいくのでした。

韓国映画界の鬼才キム・ギドク監督が思春期特有の少女たちの危うさと、それを目撃することになる父親の気持ちを独特の映像美と作風で描き、ベルリン映画祭で監督賞を受賞した作品です。

2人の少女はオーディションで選ばれた新人のクァク・チミンとハン・ヨルム。そして父親を、『純愛中毒』のイ・ヨルが演じています。

 

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