映画解説
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タイトル | コースト・ガード |
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韓国公開年 | 2002年 |
出演者 | チャン・ドンゴン パク・チア ユ・ヘジン キム・ジョンハク |
監督 | キム・ギドク |
【 映画紹介 】
『コースト・ガード』は、海岸線を守る海兵隊員が誤って民間人を射殺してしまったことで起こる悲劇を描いた心理ドラマです。
「夜7時以降に進入したものはスパイとみなし、無条件に射殺する」。軍事警戒地域に掲げられた看板の警告文。これがすべての悲劇の始まりでした。
海兵隊員で、なにかと意欲が先走るカン上等兵(チャン・ドンゴン)は、ある夜、スパイと思い込んで浜辺で逢引していた民間人の男性を射殺してしまいます。
この事件がきっかけで、精神的に追いつめられ、どんどん壊れていくカン上等兵。そして恋人を殺された女性(パク・チア)のほうも、あまりのショックで正気を失ってしまうのでした。
そして精神が壊れてしまったこの2人の男女の影響で、海兵隊員たちに不協和音が漂い始めていきます。
ベルリン、ベネチアの両映画祭で監督賞を受賞したキム・ギドク監督の作品で、5年間海兵隊にいたという監督自身の経験から創作されました。
主演はチャン・ドンゴン。トップスターの彼がキム・ギドク監督の作品『悪い男』に触発されて、ぜひ一緒に仕事をしてみたいと、出演料を大幅に下げてまで汚れ役に挑んだことが大きな話題になりました。もうひとりの壊れゆく女性を演劇女優のパク・チアが演じています。
加害側も被害を受けた側も、いってみればどちらも被害者であるという悲劇がなんとも痛ましかったですね。韓国では戦争の出てこない戦争映画とも評されました。
韓国の海兵隊はアジア最高レベルの戦闘能力を持っているといわれており、訓練も他の軍隊に比べて過酷で、「鬼も恐れる海兵隊」という言われ方をしています。入隊するには試験があり、合格入隊できた人はエリート意識が強いのだそうです。
この作品を撮るに当たって、チャン・ドンゴン始め海兵隊員を演じる俳優たちは3日間、その海兵隊の地獄の訓練を受けたのですが、チャン・ドンゴンいわく、とうてい耐えられないと思うほど苦しかったけれど、後輩たちが頑張っているのを見て歯を食いしばったそうです。