『風林高』は、韓国人の修学旅行先として有名な慶州という南の地域を舞台にした人情コメディーアクションです。
高校時代に優等生と学校のボスだった男が十年ぶりに再会してみれば、高校時代とは全く逆の立場の、優等生はエリートやくざになっていて、学校のボスは体育教師になっていて、この二人が、一人でラーメン屋を切り盛りする女性をめぐってコミカルな三角関係を繰り広げていきます。
２００１年の作品ですが、観客動員は、同時期に公開された『パールハーバー』『トゥームレイダー』などのハリウッド大作を蹴散らしました。
エリートやくざを演じるイ・ソンジェのスマートなダンディーさ、チャ・スンウォンのどこか暑苦しい弾けた面白さ、この二人のコンビネーションに加えて、ヒロインキム・ヘスのキュートな魅力が弾けています。特にチャ・スンウォンはここでのコミカル演技が好評で、その後はすっかりコメディー俳優としてトップの地位についています。
メガホンを取ったのはコメディーが得意中の得意のキム・サンジン監督。キム監督は、２時間のあいだ観客が面白く、幸せに満足してくれるような作品を作っていきたいというのが信条だけに、『風林高』も楽しく笑える１作になっています。