母なる証明 – 田代親世の韓国エンタメナビゲート

映画解説

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強力おすすめ

タイトル 母なる証明
韓国公開年 2009年
出演者 キム・ヘジャ ウォンビン チン・グ ユン・ジェムン ソン・セビョク
監督 ポン・ジュノ

【 映画紹介 】

『母なる証明』は、殺人事件の容疑をかけられた一人息子を救い出すため、自ら真犯人を探し出そうとする母親の姿を描いたヒューマン・ミステリーの傑作です。

静かな田舎町で起こった少女の殺人事件。その容疑者として一人の純粋無垢な青年が逮捕されます。彼の無実を証明するものが何もないなか、息子の無実を信じる母は、たった一人で真犯人を探し出そうと奔走するのでした。

『殺人の追憶』『グエムル~漢江の怪物』などで、韓国映画界の若き巨匠となっているポン・ジュノ監督の作品です。

そのポン監督が、『宮~Love in Palace』の皇太后役や『母さんに角が生えた』などのお母さん役でおなじみの大女優キム・ヘジャさんと一緒に仕事をしたいというところから始まった企画だったということで、ドラマでは見たことのない女優キム・ヘジャの情念と凄みを引き出しています。この演技でキム・へジャは、アジア太平洋スクリーンアワードをはじめ、数々の主演女優賞に輝きました。

そして軍を除隊したウォンビンにとっては、実に5年ぶりとなる映画出演作で、かっこよさを封印し、役者魂を発揮した純粋な青年の演技は、彼自身の、俳優としての大きなターニングポイントにもなりました。またウォンビンの友人役を演じたチン・グも不気味な存在感を醸し出していて、青龍映画賞と大鐘賞で助演男優賞を受賞しました。

この映画は、もうファーストシーンから、ただならぬ何かが起こりそうな気がする怖さを醸し出していて、映像の描写力とストーリーテリングの面白さと、衝撃のラストまで、終始ドキドキさせられる、とっても映画的な興奮を掻き立てられる作品で、数々の映画賞で最優秀作品賞を受賞しました。

tashiro

綿密に張られていた数々の伏線が見事に結びついていく脚本が素晴らしかったですね。そして、どぎつい、ビジュアル的な「怖い!」という感じではなく、感覚的に、ただならぬ何かが起こりそうな気がする怖さが画面のそこここにみなぎっていた演出もすごいと思いました。ともあれ、母親の、息子を救おうとする執念と情念、そして極限まで追い詰められた母親の息子への愛が狂気に変わっていくさまが、恐ろしくも悲しかったです。