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光州5.18

『光州5.18』は、1980年に韓国南西部の都市・光州を舞台に起こった、軍が民主化を叫ぶ市民たちに発砲し、多数の死傷者を出した事件を描いた作品です。

光州事件はパク・チョンヒ大統領が暗殺されたあとのチョン・ドファンによる軍事クーデターに抗議する学生デモへの軍の激しい暴行から端を発しました。1980年の5月18日に始まり、10日間に渡って軍と市民が衝突し悪夢の光景が繰り広げられましたが、当時、この悲劇は時の政権の情報操作によって正しく伝えられることはなく、その後も軍事政権が続いていた韓国では光州事件そのものが長くタブー視されていました。

光州事件はこれまでもドラマ『砂時計』や『第五共和国』でも描かれていましたが、商業映画の中で真正面から描いたのはこの映画が初めてとあって、2007年に韓国で公開されたときには観客動員740万人を超える大ヒットを記録しました。
政治には特に関心もなく、心優しく平凡に暮らしているタクシー運転手(キム・サンギョン)を主人公に、彼の高校生の弟(イ・ジュンギ)、想いを寄せている看護師(イ・ヨウォン)、その看護師の父親(アン・ソンギ)という人間関係を中心にして、普通に暮らしていた一般市民がいかにして事件に巻き込まれていったかが描かれていきます。

韓国現代史の中でも最も痛ましい歴史を描くことに挑戦したのは、『木浦(モッポ)は港だ』のキム・ジフン監督。光州市内の産業団地内の敷地に、1980年の街並みをセットで再現し、タイムスリップしたような空間でメインシーンの撮影に挑みました。

キャストは、『殺人の追憶』や、ドラマ『大王世宗(テワンセジョン)』のキム・サンギョン、アン・ソンギ、イ・ジュンギ、『善徳女王』のイ・ヨウォンが出演しています。

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