映画解説

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タイトル 氷雨
韓国公開年 2004年
出演者 イ・ソンジェ ソン・スンホン キム・ハヌル ユ・ヘジン
監督 キム・ウンスク

【 映画紹介 】

山を舞台に、3人の男女の思いが交錯していく哀切なラブストーリーです。

アラスカの氷河にそびえたつ険しき山、アシアック。この山にはこの世で別れた人に会えるという言い伝えがありました。そのアシアック山で同じ大学卒業の先輩後輩であるジュンヒョン(イ・ソンジェ)とウソン(ソン・スンホン)の2人の男が遭難します。洞窟の中で吹雪をしのぎながら、怪我をしたジュンヒョンとウソンは眠ってしまわないように、お互いに愛の思い出を語り始めるのでした。ジュンヒョンは妻がいても気持ちを抑え切れなかった山岳部の女性のことを。ウソンは幼なじみだった女性への片思いを。そのうち2人は互いが話している女性が同じ人物ではないかと思い始めるのでした。

成就できなかった愛を胸に秘めたジュンヒョンと悲しく終わった初恋の痛みを抱えたウソンの思いが、死が迫る遭難中の山の上という極限状況の中で、ミステリーのように切なく交差していきます。山の撮影はカナディアンロッキーで行われ、韓国初の本格的山岳映画として話題を呼びました。

イ・ソンジェが渋い魅力で成熟した大人の男の、静かな中にも激しくたぎる想いを表現し、ソン・スンホンが清廉な若者を好演。キム・ハヌルは悲しい恋のヒロインをしっとりと演じています。

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いかがでしたか? 山で成就するしかなかった愛、それを見届ける運命となった青年の悲しき3角関係が、切なく胸に染みる作品でした。
主演のイ・ソンジェやソン・スンホンは韓国最高の山岳家からロッククライミングと氷壁登攀を5ヶ月にわたって教わったそうですが、実際の撮影では気温がマイナス40度、体感温度は実に-60度の極寒での撮影で大変苦労したそうです。ちなみに劇中に出てくる「アシアック」という山は、映画のために作った設定の山なので実際には存在しません。
そしてもうひとつ、イ・ソンジェとキム・ハヌルのベッドシーンも公開前にはかなり話題になっていたのですが、イ・ソンジェさんいわく、一大決心をして撮影に挑んで、もっと長い場面を撮ったのに本編ではかなりカットされてしまって残念だったと語っていました。