映画解説
タイトル | 無影剣 |
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韓国公開年 | 2005年 |
出演者 | イ・ソジン シン・ヒョンジュン ユン・ソイ イ・ギヨン |
監督 | キム・ヨンジュン |
【 映画紹介 】
『無影剣』は、滅亡の危機にさらされた渤海の時代を背景に、国の命運を背負った渤海最後の王子と、彼を守る女剣士、そして、彼らの命を狙う反乱軍との戦いをドラマチックに描いたスペクタクルアクション叙事詩です。
西暦927年。契丹からの攻撃で滅亡寸前となった渤海。皇太子まで殺されて、残る王族はただ一人。14年前に政争に巻き込まれて流刑となった王子(イ・ソジン)でした。そこで渤海の希望をこの王子に託すべく、剣の名手である女剣士(ユン・ソイ)が差し向けられます。彼女に与えられた使命は、この王子を探し出し、彼を無事に連れ帰ってくること。反乱軍に命を狙われている王子を救うため、女剣士は無影剣を手に携え出発するのでした。
‘渤海’とは、ドラマにもなっているテジョヨンが建国した国です。926年に契丹によって滅ぼされましたが、最後の王子が契丹に対抗したという歴史上の記録が存在するそうです。そして渤海の王子を救い出した女剣士がいたという伝説もあるそうで、これらを土台に物語を膨らませ、ファンタジックアクションロマンに再構築しました。
無影剣とは、影の無い剣、すなわち、それほどすばやくて華麗な剣さばき、また清く澄んだ精神という意味が込められています。
監督は、『アウトライブ飛天舞』のキム・ヨンジュン監督で、企画から準備期間を含め、実に5年がかりで作品を完成させました。オール中国ロケで、主要キャストはほぼ半年間を中国で過ごしたそうです。
女剣士には、『アラハン』に続きアクション映画に続投となったユン・ソイが扮し、りりしく中性的でありながらも、けなげさを忍ばせるヒロイン像となっています。『イ・サン』『チェオクの剣』のイ・ソジンが、りりしく端正というドラマでのイメージとは異なる、小ずるさのある野卑な風貌で登場し、そこから王子として目覚めていく変化を見せていきます。
そして王子の命を狙う暗殺団の首領役をシン・ヒョンジュンが強烈なカリスマを光らせて演じ、彼を慕う副首領に、本作で女優デビューしたスーパーモデル出身のCM界の新星、イ・ギヨンが扮しています。またシン・ヒョンジュンとの縁でチェ・ジウが特別出演していますので、そちらもお楽しみに。
見事なアクション演技をこなしたユン・ソイは、その前の作品、『アラハン』での難度の高いアクション演技を見たシン・ヒョンジュンが、今回のヒロインにぴったりだとキム・ヨンジュン監督に推薦したそうです。そして本作でさらに完璧なアクションシーンを演じるために5ヶ月間を訓練に費やしました。矢を体で受ける演技の最中には矢が口に当たり、顔を10針縫う怪我にも見舞われてしまったそうですが、それでも彼女はほとんどのアクションシーンを自ら演じ、現地の専門中国武術チームから、実力だけではなくプロ根性の面でも高い評価を得て 、“韓国のチャン・ツィイー”と呼ばれたそうです。