アン・ソンギ

スター列伝・スターコラム

韓国映画といえばイコールアン・ソンギというほどの韓国映画界を代表する国民俳優である。日本で公開された韓国映画のうち２本に１本は出ていたんじゃなかろうか。

父親が映画の企画製作会社にいた関係で１９５７年映画『黄昏列車』で子役デビュー。５歳の時のことだった。その後いくつかの映画に出演したあと休業し、いったんは学生に専念して韓国外国語大学ベトナム語科を卒業。中央大学演劇映画大学院に入ったものの中退し、再び俳優の道へ。８０年代の韓国ニューウェーブの到来を告げた記念碑的作品の『風の吹く良き日』で数多くの映画祭で賞を受賞しトップスターになった。その後は８０年代の韓国映画の全盛期を築いていくことになる。あまりの人気に映画界はアン・ソンギが出る映画と出ない映画に分けられた程だという。

日本映画の『眠る男』に、ずーっと眠っている男を演じて話題にもなった。

９３年には『トゥーカップス』で酸いも甘いもかみ分けたベテラン刑事を肩から力の抜けたようなコミック演技でこなし、９９年の『情け容赦なし』では珍しく犯人役で、不気味な悪人を存在感たっぷりに演じていてまさに変幻自在。

ものすごい人格者で、彼を知る人誰もが「本当に素晴らしい人」と賞賛してやまない。

※2000年6月発刊「韓国はドラマチック」（東洋経済新報社）より
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略歴

１９５２年生まれの５２歳。韓国映画といえばイコールアン･ソンギというほど、韓国を代表する国民的人気スターです。
５歳のとき子役でデビューし、いったん学業に戻りましたが、２６歳で再び俳優に復帰。１９８０年代の韓国ニューウェーブ映画に欠かせないスターとして精力的に出演してきました。あまりの人気に韓国の映画はアン・ソンギが出る映画と出ない映画とに分けられるほどだったといわれています。その後、若手に主役を譲るようになっても光る助演としておいしい役どころを数々演じ、見終わってみればアン･ソンギが一番印象に残っているという作品は数多いです。
日本映画の『眠る男』でずーット眠っている男の役を演じて話題になりました。気さくで優しい人格者として有名で、誰からも慕われ、全俳優たちの尊敬の的。俳優だけでなく、アン･ソンギさんを主役に２００２年に『ピアノを弾く大統領』というラブコメディーを作った監督さんが、以前「アン･ソンギさんと同じ国に生まれたことが誇りに思えます」と語っていたほどで、どれだけみんなから尊敬と敬意を持たれている方かお分かりになると思います。
今月はそのアン･ソンギさんの新作、韓国現代史の暗部に触れた『シルミド』が公開されますので、是非そちらもご覧下さい。（２００４年５月）