スター列伝・スターコラム

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略歴

ユ・アイン

今、日本で大人気のドラマが『トキメキ☆成均館スキャンダル』。朝鮮時代のエリート学校を舞台に、男装した女の子が入学して巻き起こる青春ラブコメディーだ。見始めて「この人は誰?素敵!」となるのが、学校で‘暴れ馬’と呼ばれながらもヒロインを陰で助けてあげる心優しき男を演じたユ・アイン。韓国では彼の魅力にはまって恋煩いする女性が続出した。

ユ・アインはデビュー作で素敵なお兄さん的役どころを演じて10代ファンから人気を集めたものの、その後は役者として自分が何を見せたいかにこだわってきた。映画や音楽もインディーズ系が好きという嗜好のせいか、映画デビュー作も、『俺たちの明日』で、精神的に不安定な少年の危うい心を鮮烈に演じていた。アイドルスターになれたところをあえてメインストリームを歩いてこなかった‘非主流俳優’と呼ばれている。個人的にはドラマ『必殺!最強チル』で、心が引きちぎられそうな苦悩と葛藤を繰り広げていく刺客を演じているのを見た時から「すごくいい!」と大注目していたので、『成均館スキャンダル』でようやくブレイクしたのが嬉しかった。

5月にそのユ・アインが初来日した。現在24歳だが、少年性を残しながらも、一過言ある、深みを感じさせる青年だった。そしてとても表現力が豊か。テレビ番組に生出演した時、「今の気持ちは?」と聞かれて、椅子に思いっきりもたれてぐたーっとしたジェスチャーをして、「どうしていいかわからない」という気分を体全体で表していたし、マルバツで答えてもらうところも、どう答えようか悩む過程を表情で見せてから、満面の笑顔でマルを出すというように、時間が短い分、言葉で語る以上に表情や体で気持ちを表現していたのに感心した。

また夢の実現に必要なことを聞かれて「自信を持つこと。そのためには、無礼にならず、自分の内面の考え方をしっかりと持つことです」と答えていたのが印象的で、彼がその言葉をしっかり体現して着実に俳優としての歩みを進めているのが嬉しく思えた。

※2011年7月号「私の時間」(ヒロ・コミュニケーションズ)コラムより
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略 歴

1986年生まれ。芸術高校一年の時に校門前でスカウトされて、高校を中退してデビューしました。ちなみにその後検定試験を受けて建国大学の芸術学部に入学しています。2003年のデビュードラマ『四捨五入(パンオリム)』では高校生の素敵なお兄さん的役どころを演じて10代ファンから人気を集めましたが、その後は作家性の強い映画に出演するなど、あえてメインストリームを歩かない‘非主流俳優’の道を進んできました。

映画デビュー作は、2007年の『俺たちの明日』で、精神的に不安定な少年の危うい心を鮮烈に演じてプサン映画評論家協会賞の新人男優賞を受賞しましたし、『よいではないか』でも変わり者の高校生役を演じて、この2作品で、幼いながらも一つのイメージに縛られない多様な情緒を発散する俳優として映画界注目の若手になりました。

ドラマ『必殺!最強チル』で、心が引きちぎられそうな苦悩と葛藤を繰り広げていく刺客を印象的に演じたり、2008年の映画『アンティーク~西洋骨董洋菓子店』では見習いパティシエ役で少年らしい魅力を見せ、2009年『結婚できない男』でもいまどき青年をキュートに演じて注目されました。2010年にはドラマ『トキメキ☆成均館スキャンダル』で‘暴れ馬(コロ)’と呼ばれながらもヒロインを陰で助けてあげる心優しき男を演じて野性的で男臭い魅力を見せ、彼の魅力にハマって恋煩いする女性が続出しました。

2011年には高校生役を演じた青春映画『ワンドゥギ』が大ヒット。純粋さと反抗的気質が調和した魅力を発揮して俳優として一段ステップアップしました。

2012年にはドラマ『ファッション王』で野望に生きる男を演じ、2013年には『チャン・オクチョン』で朝鮮王朝19代王粛宗王をカリスマがありながらロマンあふれる王様として抜群のカッコよさで演じ、女性視聴者を魅了しました。また母親思いのタフな青年に扮した『カンチョリ』が公開され、キム・スヒョン、ソン・ジュンギとともに映画界の20代の男優ビッグ3と評されました。

しかしユ・アインの快進撃は実はここからが本番でした。2014年の『密会』で、子犬のような純粋さと大胆さを秘めた天才ピアニストを演じたかと思えば、2015年には映画『ベテラン』でキレッキレの危険で残虐な財閥御曹司を演じて恐ろしいほどの悪役ぶりを見せ、大きな話題になりました。また『王の運命―歴史を変えた八日間―』では悲劇の思悼世子に扮してソン・がンホと演技対決をし、この2本の映画で2015年は各種映画賞を受賞。ドラマでも『六龍が飛ぶ』で歴史上有名な王イ・バンウォン(太宗)を演じ、新たな像を演じきったと高く評価されました。今、乗りに乗っている俳優です。

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ユ・アインの個人的おすすめ作品
※『必殺!最強チル』
このドラマの切ない部分を一手に引き受けていて、胸の痛む人物像がすごく良かったです。

※『トキメキ☆成均館スキャンダル』
ユ・アイン演じるコロの不器用な男心に胸キュンで、ドラマの内容も最高!

※『チャン・オクチョン』
ユ・アイン史上もっともかっこいいと思える作品。その魅力にしびれました。

※『密会』
魂の結びつきのような愛を表現していて映画のように引き込まれる作品です。

※『アンティーク西洋骨董洋菓子店』
ユ・アインは助演でかわいい少年という感じて登場。映画として面白いです。

※『ベテラン』
すごい嫌~な悪いやつを演じているので、怖いもの見たさでどうぞ(笑)

※『王の運命―歴史を変えた8日間―』
父親との確執を抱える世継ぎ王子の話なので、精神的に煮詰まっていく姿を演じています。