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略歴

イ・ドンウク

『女の香り』という余命を宣告された女性のラブストーリーで、御曹司の本部長を素敵に演じて人気急上昇のイ・ドンウク。色白で、彫りの深い、エキゾチックな綺麗な顔立ちなので、神経質で繊細な雰囲気を漂わせているが、知ってみれば、ご本人曰く、‘大雑把’な、かなり‘男っぽい’青年なので、そのギャップに驚かされる人である。

先日私がMCを務める番組にゲスト出演してくれた時、それは顕著に感じられた。イ・ドンウクさんは、淡白で、話し口調がそっけなくて愛想なしなので、最初挨拶を交わしただけだと不機嫌なのかしら?と誤解しそうなのだが、飾り気がないというか、率直というか、そういう性格なのだ。逆にそれがわかると、そのそっけなさがなんだかいちいち面白い人でもある。そうかと思えば、椅子に座る前にはレディーファーストでMCの私に先に座るように勧めてくれる。他にも真顔でしれっと冗談言うので、今のは本気なのか冗談なのか判断に迷ったりもするが、逆に、思ったことがそのまま言葉になっている、裏表のない男気のある人なので、知れば知るほど好感度がグングン上がっていく。ギャップの振れ幅が大きいというのは彼の武器であろう。

「ぼくは誰がどう見ても典型的なB型なんです」と自らマイペース宣言をし、ズバズバっとシニカルなことも遠慮無く発言するので、サービス精神が旺盛で何ごとに対しても丁寧で優等生的な韓国俳優のイメージがサラリと覆される。でも決してマナーが悪いわけではなく、男の子っぽく、あっさりとそっけないだけなのだ。とにかく新鮮。誰に対しても媚びがないので、ぶっきらぼうに見える反面、気持ちいいというか、面白い。でもきっと、短い時間だとその良さがわかりにくいかもしれない。実際、誤解している記者も何人もいるくらいだ。だからこそ、好青年ぶりを知ってしまうと、「本当はとっても良い人なんですよ」と伝えなければという使命感にかられてしまう。そんな風に韓国俳優の中でも珍しい持ち味の人である。

※2013年2月号「私の時間」(ヒロ・コミュニケーションズ)より
文章の転載はご遠慮ください。

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Loving You』『パートナー

乱暴<ワイルド>なロマンス』『女の香り

ホテルキング

アラン(阿娘)』『最強ロマンス』『その男の本198ページ

 

略 歴

イ・ドンウクは1981年生まれ。モデルのオーディションで大賞を受賞して芸能界入り。オーディションの特技披露では授業で習った柔道の受身を披露し「床が固くて痛かった…」とのちにコメントしていました。

99年、高校3年のときに短編ドラマのべスト劇場で反抗的な学生の役で演技者デビューしました。2000年の『学校3』や、2002年にパク・ヨンハの弟を演じた『Loving You』、翌年の『酒の国』、2004年の『拝啓ご両親様』などで助演を演じていました。

長らく、かっこよくて気になるけれど、その枠を抜け切れず…という存在でしたが、俄然注目を浴び始めたのは2005年からです。
まずベトナムを舞台にした特別ドラマ『ハノイの花嫁』で国籍を越えた恋に落ちる医者役で主役を演じ、続いて初めて主役を張った胸キュンラブコメドラマの『マイガール』で、女性詐欺師と恋に落ちる、クールなホテルの御曹子を演じて人気沸騰。韓国だけでなくアジアでも人気が出ました。

その人気で『阿郎アラン』の刑事役で映画にも進出し、続けてラブコメ映画『最強ロマンス』でも刑事を演じ、ここでは髪を少し長めにしてアクションを披露しながらも、ヒロインに振り回される役を演じていてました。

2008年には、ミステリーラブドラマ『甘い人生』で複雑な心情を抱えた難役に挑み、新境地を開きました。映画『その男の本198ページ』への出演を経て2009年は本格的法廷ドラマ『パートナー』で俗物弁護士に扮しました。 同年8月、イ・ヨウォンと共演の映画『テンジャン』を撮影後、兵役に入っています。

(2010年10月執筆)



2011年6月に除隊。除隊後初のドラマは『女の香り』。余命宣告されたヒロインを愛していく御曹司を素敵に演じて女性ファンの心をつかみました。続けて『乱暴なロマンス』ではけんかっ早いトラブルメーカーのプロ野球選手に扮しました。

またこの年には、軍隊時代に芸能兵として国軍放送でやっていたMC経験を生かし、同じく芸能兵だったBOOMの推薦でトークバラエティー番組『強心臓』の司会に抜擢され、ベテランMCのシン・ドンヨプと共に2トップ司会者として活躍。年末のSBS芸能大賞で新人賞を受賞するなど好評を受けました。
2013年初めに番組改変に伴いMCを降板し、初の時代劇となる『天命』に出演。陰謀に巻き込まれていく子持ちの医師を演じました。2014年の『ホテルキング』では復讐に萌える冷徹なホテルマンに扮したり、『アイアンマン』で、怒りが体に現れてしまうという特異体質の青年を演じるなどこの年は年に2本と旺盛に演技活動に邁進。

2015年の『風船ガム』では、幼なじみを愛する等身大の好青年を演じています。
2016年末から2017年にかけて放送された『鬼トッケビ』では死神を演じて、とぼけた味や悲痛な表情など様々な魅力を発揮して、ドラマの大人気と共にイ・ドンウク自身も人気が沸騰しています。

(2017年6月加筆)