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キム・スンデ&チョン・ドンソク コンサート&トーク

昨年の10月から行われてきた、
韓国ミュージカル界で活躍中の俳優の
トークと歌を楽しむコンサートの第3弾に行ってきました。

日本に入ってくる韓国のミュージカルはまだまだ値段も高いので、
まずはミュージカル俳優の歌のよさを聞いて
「行きたい」と思ってもらいたいという意図で続いている
韓流ぴあ主催の企画です。

3回目となった昨年12月の公演には
キム・スンデ、チョン・ドンソクという、
ふたりのプリンスたちがやってきました。

キム・スンデは30代で “演技中毒者” と言われているほどの演技の虫。
いろんな役の初演に起用されて、
役を作ってきた人として知られていて、
ルックスはSUPER JUNIORのシウォンにちょっと似ています。

韓国芸術総合学校で声楽を専攻していたチョン・ドンソクは、
『ウェルテルの恋』で日本にも来ていますし、
去年は『太陽を抱く月』で
韓国ミュージカル大賞の新人賞を受賞している期待の若手。
ミュージカル界のウォンビンと呼ばれています。
同じ事務所で親しい関係ということで、
今回はジョイントが実現しました。

公演の前に行われた会見では、
キム・スンデが
「1年ほど前に日本で活動を始めて、事務所の代表と
『1年後にコンサートをしたいね』と話していた。
それが実現してうれしい」と話し、

チョン・ドンソクも
「ありがたく、特別な意味があると思っています。
キム・スンデさんとは時に喧嘩をしたりもするような親しい仲で、
そんなふたりでコンサートの場に立てるのがうれしい」
とのことでした。

ふたりは昨年8月に「Two Of Us~歌ある限り~」
というCDをリリースしていて、
その時にコンサートをしてはどうかという話が出て、
曲選びを始めたそうです。

世界的に有名な曲をはじめ、
クリスマスの時期なので温かい気持になってもらえる曲、
韓国の情緒を知ってもらえる曲と、
幅広いジャンルの曲を選んだとのことでした。

ふたりは声質がまったく違うんですが、
「すごく練習を重ねて、最初はぶつかり合う感じだったけれども、
徐々に混ざり合っていくハーモニーのシナジー効果を楽しんでください」
とのことでした。
ふたりは、『エリザベート』のルドルフ皇太子など、
同じ役を演じることも多かったので、
役への悩みなどを話し合うことで仲よくなって
「足りないところを補っていける関係だ」と言ってました。

また、ふたりとも海兵隊出身ということについて、
後輩のチョン・ドンソクは
「スンデさんが海兵隊出身だとは知っていたけれど、
海兵隊は上下関係が厳しくて恐いので最初は避けていました。
でもバレてしまって…」と話していましたが、
とても仲がよさそうでした。

今後の活動について
「焦って何かするよりも少しずつ活動しながら、
たくさんの人に自分たちの歌や演技を知っていってもらいたいです。
『2人でがんばっていこう』とラーメンを食べながら誓いました」
と言っていました。

今年、キム・スンデは『英雄』『笑いの大学』、
チョン・ドンソクは『太陽を抱く月』といった作品に出演しています。

 

公演は、ソロでそれぞれの持ち歌を歌ったり、
デュエットしたり、トークをしたりととても楽しかったです。

チョン・ドンソクは『ノートルダム・ド・パリ』の
「カテドラルの時代」という曲をパワーのある声で歌い、
雄大ですごく聞き応えがありました。
軍隊にいた時に、
歌で1位になると休暇がもらえるという機会があって
この歌を歌い、
「自分の声はミュージカルに合っているんだな」
と自覚してここまで来たという思い出の曲だとのことでした。
去年、実際にこのミュージカルにも出演しています。

クラシックを勉強した人らしく、
シューベルトの「魔王」も、ほんとうにうまくてびっくり。
女性のパートも裏声で歌ったんですが、
「これを聞いて母も『おまえ、ファルセットでも歌えるのね』
とびっくりしていました」と話していました。
ピアノの演奏も披露してくれました。

キム・スンデは『モンテ・クリスト』など、
自分の出ているミュージカルの曲を何曲か歌いました。
そして、『エリザベート』の「闇が広がる」を、
チョン・ドンソクがトート、キム・スンデがルドルフで聴かせてくれました。
公演は12月19日、20日と2日間あり、両日見に行ったんですが、
日替わりで違う曲も入れていました。

私自身最近特にミュージカルにハマっていて、
たくさん舞台を見るようになって知っている曲が増えてきているせいか、
「あの曲をこんなに豊かに歌ってくれてありがとう」と思えて、
このシリーズはいつも大満足です。

声のよさを聞かせるために伴奏もシンプルな編成で、
選曲も本人たちが担当していて。
続いている限り、行きたいなと思っています。

ミュージカルの有名な曲も歌ってくれるので、
まずはこういうコンサートで、
韓国を代表するミュージカル俳優たちの豊かな歌声を聴いてほしいですね。

(2014年1月9日執筆)