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チョン・ドンソクThe Greatest Vocalistコンサート

写真提供:韓流ぴあ 転載禁止

 

先日、ミュージカル俳優チョン・ドンソクさんの
コンサートの司会をしました。
クラシックの殿堂と言われるトッパンホールで、
マイク通さない生歌での
クラシックをメインにしたコンサート。
ドンソクさんは、この2月に誕生日を迎えたばかりですが、
満で27歳と若いのに、非常に多才というか、
ミュージカル俳優としてだけでない
幅広い魅力を見せてくれました。

これまでもコンサートでオペラの『魔王』を
披露してくれたこともあり、
声楽科出身だけにオペラ楽曲も見事にこなすのね~
と思っていましたが、
やはり現在はミュージカル俳優さんなので、
久しぶりのクラシックは
かなりのプレッシャーだったようで、
普段は緊張しないのに、
前日にリハーサルした後から、
色々と、あそこは大丈夫かな、ここは?と
気になってしまい、
床についてからも飛び起きて楽譜を確認したりと
繰り返しているうちに一睡もできず、
朝からコンディションが悪くて
大変だったようです。
というわけで、当日は
病院で点滴をしてもらってから
会場入りしていました。

本番前の音合わせでも、
自分に向かって「ファイティン」と
鼓舞するように声を出して
リハーサルしていました。

写真提供:韓流ぴあ 転載禁止

 

でも、本番になったらさすが。
もしかしたら彼の歌をよーく聴きこんでいる人は
いつもとは違うとわかったのかもしれませんが、
調子が悪いと言われても
どこが~?と思ったと思います。
そこはさすがにプロですね。

ただ、ご自分としては目指すところが高いのでしょう。
バックステージでは、
申し訳ない~、悔しい~と
何度もおっしゃっていました。
が、当初の予定から一曲もカットすることなく
すべて歌いきっていました。

そしてゲストで登場したキム・ジュンヒョンさん。
『マリー・アントワネット』で共演してから
ドンソクさんと親しくなったそうで、
現在同じ事務所所属でもあります。
彼は2月末から公演が始まる『ドリームガールズ』の
稽古期間中で、前日の遅くに日本入りし、
コンサート翌日には
朝8時の飛行機で帰るという忙しさ。
ミュージカル曲1曲とクラシック一曲を
披露してくれたのですが、
このイタリア歌曲がまた素晴らしくて。

ジュンヒョンさんは声楽出身でもないのに
なんでこんなに歌えてしまうのか、
何でも恩師が声楽の方で、
勉強したことがあるとおっしゃっていましたが、
これにはドンソクさんも
「凄いよ、ヒョン~!」と言ってたそうです。

とにかく二人とも爆発的な声量の持ち主なので、
かねてから気になっていたことを
公演後にちょっと聞いてみました。

「ものすごく大きな声で歌い合うけど、
相手役もご自身も耳は大丈夫なんですか?」

ということです。

ドンソクさんいわく、
これはもう慣れなのだそうです。
返って、相手役の声が大きいとこちらも乗れるので
ありがたいのだとか。
相手の声が弱いとバランスを合わせるのが
大変で思い切って歌えないのだそうです。
だから『マリー・アントワネット』では
メガトンボイスのジュンヒョンさんや
ミン・ヨンギさんと歌いたかったのに、
一緒に歌う場面がなくて残念だったと言ってました。

韓流ぴあのミュージカル・コンサート、
次回は3月28日(土)です。
今年来日公演もあった『女神様が見ている』で
口が達者な韓国兵士の役を演じた
チョ・ヒョンギュンのコンサートと、
彼が出演した創作ミュージカル『サリエル』の上映会です。

私、昨年の夏にソウルで『サリエル』観ましたが、
小ぶりの劇場なのに、
みんなもうまるで大劇場のような
圧倒的なパワー歌唱で
とってもドラマチックでした。
『モーツァルト』で主人公の分身のように
小さなアマデが出てくるように、
『サリエル』では、モーツァルトの存在に
嫉妬を感じたサリエルの前に
「ジェラス(=嫉妬)」という男が出現して
サリエルを翻弄するんです。

で、そのジェラスを演じていて
とっても印象に残っていたのがチョ・ヒョンギュンさんで、
『女神様~』でもとっても良かったので、
私の中では、一気に気になる俳優さんに浮上したのでした。
ミュージカル全編を日本語字幕付きで上映してくれるなんて
本当に貴重な機会ですね。

 

 

(2015年02月28日執筆)