ミュージカル

ミュージカル一覧に戻る

『ドラキュラ』に落ちる!

 

観てきました、『ドラキュラ』!
リュ・ジョンハンで3回、
ジュンスで2回の合わせて5回観たのですが、
どちらもとっても素晴らしかったです。

正直、ジュンスの評判ばかりがクローズアップされていたので
リュ・ジョンハンびいきとしては心配していたのですが、

「やっぱり、あなたは素晴らしい!!!」

と、ファンであることが誇らしく思えるほど
リュ・ジョンハンさんに対して大拍手でした。

リュ・ジョンハンさんは、
私は顔も好きなのですが、とにかく声が最強武器!
ただのいい声じゃなく、艶っぽい色気があるのが特徴で、
強い時はブチ切れるように強い一方で、
それ以外の時には
そそーっと気持ちをなで上げられるような、
まとわりついてくるような艶を出してくるので、
ひゅんっと気持ちを持って行かれちゃうんですね。

セリフを喋るときもそうです。
で、今回の『ドラキュラ』は、
陰でセリフだけを聞かせるシーンが何度があるのですが、
エコーを効かせているので、
一層、声を聞いているだけでゾクゾクしてきます。
ヒロインに対しても、
強弱緩急に富んだ豊かな声で誘うように歌うので、
まさに危険で妖艶なドラキュラ伯爵にぴったりなのです。

孤高で孤独で、400年生きて背負ってきた悲哀、
人を操るときの帝王目線、
この世のものではないただならぬ妖気、
まさに、‘これぞドラキュラ伯爵’という姿が
きっちりと内在していて、

「この人はなんてゴシックロマン的で貴族的な
不健康男子が似合うのかしら~」

と、萌好き女子にはたまらない魅力が全開でした。
有無を言わせぬカリスマがあって、
舞台に立っているだけで、
見る者を萌えさせる存在になっているんですね。
それに加えての圧倒的な歌唱力と感情のスパークに

「あなたが王者ですー!!!」

と叫ばないではいられないほど、
胸が高鳴り、カタルシスを感じました。

『モンテ・クリスト』を観た時も
『フランケンシュタイン』を観た時も思いましたが、
この『ドラキュラ』も、これはリュ・ジョンハンのための作品だわ!
と思わせてしまうところがすごいです。
やっぱりトップスターですね。

そして、ジュンスも胸を打つ熱演でした。
正直ドラキュラ伯爵を演じるには
彼はまだ若いのでしょうが、
経験と貫禄不足を補うかのような全力の没入演技。

変身する激しい場面などはさすがの動きと激しさで
と~ってもかっこよかったのはもちろんですが、
感受性がとっても豊かなんでしょうね。
ポタポタと涙と汗を流しながら
全身でまっすぐに愛をこうる姿には、
なんだかとてつもなく重い想いを見せつけられた感じで、
見終わって「はぁ~」と胸がいっぱいになりました。

私が見た2回ともそうでしたから、
たまたまこの日がすごかったわけでなく、
ずっとこのテンションでやっているんだろうなあと感嘆。
もうアイドルと呼んじゃいけないよね、このレベルの高さ。
こんなにチケットパワーのある人気者に
ここまでの熱演をされたら、制作者は手放さないよね。
と思いました。

で、いまは『ドラキュラ』にすっかりはまってしまった状態です。
でもこうなるのに実は時間がかかりました。
3回めにしてようやくです。

相性というものはあるもので、
一度聞いただけで
「この曲好き~」と思えるものもあれば、
世間では名曲と言われているにもかかわらず、
何度聞いてもピンと来ないなあと思える曲もあるものです。
で、『ドラキュラ』は、私にとって後者だったんですよね、実は。

予習のためにブロードウェー版のOSTとか聞いたのですが、
う~ん、キャッチーな曲がないなあ、なんて思ったりして。

で、実際に舞台を見てみても
リュ・ジョンハンとジュンスの
それぞれ1回づつ見終わった限りでは
ラストの終わり方とか、
ドラキュラのキャラクターとか、
乗りきれないものがあって、
なんかモヤモヤして、
この作品好きになれるかな~なんて思ったのですが、

3回めをリュ・ジョンハンで見た時、
彼がもう興奮するほど素晴らしかったということもあり、
一気にモヤモヤが吹っ飛び、
この作品に落ちたんですね。

これまでも韓国ミュージカルを観る際には
言葉の壁もあるし、
曲に演技にストーリーにセットに~、
と、いっぺんに入ってくる情報量が多すぎて、
一回ではキャッチしきれず、
2回見てようやく腑に落ちて
曲の良さも含めて作品が理解できる
ということが多かったのですが、
今回は更に時間がかかりました。
回数多くチケット取っておいて良かったです。

2回で終わっていたら、
作品自体を絶賛できなかったですからね。
5回見終わった今は、もうどっぷりとハマってしまい、
もっと見たい衝動を抑えきれません。
「キャッチーな曲がないなんて思って、ごめんなさい。
名曲ぞろいだよね~」と今は脳内リピート状態です。

なので、皆さんも是非少なくとも2回、
時間とお金が許せば
本当は3回観ることをオススメします。

特にご贔屓が出る場合、
この場合はジュンスファンが多いでしょうから、
ジュンスばかりをオペラグラスで追うので、
メロディーの良さとか、セットの豪華さとか、
彼の周囲で何が起こっているのかとか、
きっと1回観ただけではわからないと思います。

私の周りでも1回見終わった時、
結構モヤモヤしていた人が多かったですから。
なのでぜひリュ・ジョンハンさんでも見ていただき、
本来のご贔屓よりはちょっと落ち着いた気持ちで見て
全体像を把握したあとで、
もう一度ジュンスを見ると
いろいろと2人の俳優たちの工夫の違いもわかって
より感動できると思います。

もちろんリュ・ジョンハンさんがご贔屓の方は
2度目はジュンスで見て3度目をまたリュ・ジョンハンで観る
という感じですね。
どちらで見ても素晴らしいので、
もったいなく感じません。
それぞれのファンが、
本来ご贔屓じゃない人の良さにも気がつけるでしょう。

ところで、ジュンスの回はやはり日本人が多かった。
前の列にも隣の席にも日本のお客さんがいました。
そして私がナビゲーターをしている
CS放送局の衛星劇場では
7月と8月はジュンスが出ている
韓国ミュージカル大賞を放送しているので
契約している方が多かったようで、
「衛星劇場を見てます」と声をかけられる率が高かったです。

 


そうだ、『ドラキュラ』ではヒロイン、ミナの婚約者役で
ジョナサンという男性が出てくるのですが、
それをWキャストで演じているチョ・ガンヒョンは、
昨年『兄弟は勇敢だった?!』で
日本で来日公演をしているのですが、
その時、もう少し痩せてくれればモロに好みなのに~
と思っていたのですが、
今回、上半身を脱ぐシーンがあるせいか、
以前に比べて別人のように引き締まり、
やはりとってもかっこ良くなっていました。
どうか、今後もずっとその体型を維持して下さいと
願わずにいられません(笑)。

 

(2014年07月31日執筆)