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『ディッセンバー』

ジュンスの『ディッセンバー』を初日に観ました。
が、あまり面白く感じられませんでした(^-^;。

私自身がそれほどキム・グァンソクの歌に
思い入れがないからというのも
あるかと思いますが…。

ただ、ジュンスは素敵でした!

1幕目は恋にうぶな純粋な青年として笑いを誘い、
2幕目は20年後、
成功している舞台演出家として登場して、
初恋の思い出を抱えながら
初恋の女性と瓜二つの女性に出会って心が揺れていくさまを
シャープかつウェットに演じていて
なにより、
ロングコートやスーツ姿がかっこよかったです。

涙を流しながらも熱演でしたし、
歌声も切々としていて心に響いてきました。

あとジュンスの友達役を演じたイ・チャンヨンが
ものすごく上手かったのも印象に残りました。

彼は『風月主』で来日公演しているのですが、
その時よりも歌の上手さが際立っていました。

そんなこんなで最後はスタンディング・オーベーションになったのですが、
でもそれは皆ジュンスのファンだからでしょという感じで
作品自体はう~ん、という印象でした。

でもキム・グァンソクの歌に思い入れのある韓国人が見たら
違う感想なのかなあと思ったら、

劇評をみるとやっぱり韓国人も面白くないと思ったようですね。

これ、だいたい大劇場でやる内容ではないんですよね。
キム・グァンソクの歌じたいも、
しみじみしたものではありますが、
決して派手なものではないのですし。

それに主人公の友達やその親御さんなどなど
いろんな人の話が入りすぎてて、
肝心の主人公のロマンスに
焦点が当たりきれていないというか。

もっと主人公と初恋の女性の愛の話に絞り込んだら
泣けたと思うのですが。

そしてもっとこじんまりとした劇場でやってくれれば
感動できたような気がします。

だから、そもそも企画自体に無理があったのでは。

しかも演出が
ミュージカル初挑戦のチャン・ジン監督ですからね。

私はチャン・ジン監督のファンなので、
どんな舞台をつくり上げるのか楽しみにしていましたが、
チャン監督は数々のストレートプレイは演出しているけれど、
やっぱりミュージカルには
ミュージカルの呼吸や仕様というのがあるんだろうなあ、
餅は餅屋にまかせるべきだなあと思いました。

もっとも、
初日は20分の休憩を含む3時間20分という長さだったのですが、
いろんな指摘を受けて短くカットしたり直していっているそうです。

だいたいキム・グァンソクがもし生きていたら…という姿が
ホログラム?かなにかで映しだされるのですが、
それってこの物語には不要なのでは?
だって、彼の歌を使ってはいるけれど、
彼の人生を描いた作品ではないですからね。

だからその部分にすごく違和感を感じたのですが、
それも数日で無しになったそうです。

ま、こういう臨機応変さは韓国の良い所ですね。
なので、今頃見たら結構変わって、
ずっと面白くなっているのかもしれません。

 

(2014年01月09日執筆)