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『ウェルテルの恋』鑑賞

 

昨日、見に行ってきました。
赤坂ACTシアターで行われている
韓国の創作ミュージカル『ウェルテルの恋』。

昨年10月に韓国でのキム・ダヒョンさんによる
初日公演を観ていましたので、
今度はキャストの違うチョン・ドンソクさんがウェルテル役を
演じるバージョンを観に行きました。

いやあ、やっぱり字幕がつくと、
歌詞の内容がよくわかって、
すっと気持ちが入ってくる度合いが違いますね。

苦しい片想いをして、
その愛の成就にしか喜びを見いだせなかった、
悲しくも美しい純粋すぎるウェルテル青年の心情が
痛く胸に刺さってきました。
演じているドンソクさんが若いだけに、
恋しいロッテのことしか目に入っていない青い感じが
よく出ていました。

そしてドンソクさんは声楽をきちんと学んできた人なので
さすがに歌がうまかったです!
美声で歌い上げるトーンも美しく、他のキャストも皆さん
とてもうまいので酔わされました。
あんまり良かったので、その感動を伝えたくて、
パンフレットを買って終了後のサイン会にも参加してしまいました。
「10月にソウルでお会いした記者です。
歌も演技もとても素敵で感動しました」
とお伝えしたら、キラッキラした瞳で嬉しそうな笑顔を見せてくれました。
やっぱり「ドンソク王子」とあだ名されているだけの人ですね。

帰り際、主催のスタッフの人と立ち話をしたところ、
キム・ダヒョンさんの日本公演の最終日、
「もう彼渾身の絶頂の演技ですごかった!
客席の何人もが泣かされたんですよ」とのこと。
「あーその日も観に行けばよかったー」と後悔しきり。
やはり生の舞台ものは「あの人の、その時!」というのがあるので、
気持ちがあるならフットワークよく行くべきだなと痛感しました。
特に初めての創作ミュージカルは、
1回観ただけではメロディーも含めて
その真価が把握しきれないとも思いました。

韓国で観たときは初日だったということも有り、
正直、ちょっとパーフェクトではなかった感じで、
メロディーも、メロディアスで甘美だなあとは思いましたが、
今ひとつピンときていなかったのです。
でも今回、日本公演をするに当たって改善したそうですし、
私自身も二回目ということもあってか、
美しい曲が心にしみるように入ってきたんですよね。
劇場内もリピーターのお客さんが結構いらっしゃったようです。
「一度観てあまりにも感激したからまた来た」
と言っていたお客さんもいました。

この公演は残すところあと2日(25日、26日)、
昼・夜あわせて4回です。

昨日は、会場の半分くらいしか客席が埋まっておらず、
こんなに水準の高い歌声、作品なのに、
やっぱり日本でよく知られているスターが出ているわけじゃないから
厳しいんだなあと。
でも実力は折り紙つきのキャストなので
観ないともったいないなと思いました。

韓流云々ではなく、ミュージカル好きの方々にも
是非観て貰いたいなあと思います。

 

(2013年01月24日執筆 )