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あの日、兄貴が灯した光

あの日、兄貴が灯した光(配給CJ Entertainment Japan)
5/19 TOHO シネマズ新宿ほか全国順次ロードショー

http://aniki-themovie.jp/

映画、ドラマそしてミュージカルと縦横無尽に活躍中のチョ・ジョンソクとアイドルグループEXOのメンバーでありながら俳優としても異彩を放つD.O.ことド・ギョンスが兄弟を演じた感動のヒューマンコメディーです。

 

映画の概要は公式サイトをご覧ください。

http://aniki-themovie.jp/

 

<感想>

この脚本家の前作『7番房の奇跡』は親子の愛に泣かされましたが、今回は不詳の兄と弟の兄弟愛に泣かされます。ストーリーは割と展開が読めるのですが、それでも俳優たちの上手さと所々に散りばめられたユーモアが映画を輝かせて、わかっていても泣けてしまうという作品ですね。

チョ・ジョンソクが演じているのは、詐欺の罪で服役中の兄。詐欺の前科10犯なだけに口先三寸とウソ泣き演技でまんまと周りをだまして仮出所を勝ち取るものの、家に戻って来ても弟の面倒をろくに見もせず、資産のありかばかりを気にするなど、図々しい男っぷりで、前半は「この兄貴とんでもない奴~」と思うのですが、そんな兄と、視力を失い自暴自棄になっている弟が徐々にわだかまりをときながら交流していく過程に爆笑したりほっこりしたりしていると、ある出来事が起きて、映画は一気に感動のラストに向かっていきます。

表向き悪ぶっていても、実は温かい情を持っている兄を演じるチョ・ジョンソクの達者な演技と対比をなすのは、弟を演じるEXOのD.O.ことド・ギョンスのどっしりとした存在感。若いのになんなんでしょうね、この、中味が詰まっています~と思わせる重厚感は。ドラマより映画、それも作家性の強い映画祭映画に似合う独特の雰囲気を身にまとっている気がします。でも実はバリバリのアイドルだというところのギャップが面白いですけど、一つにくくり切れない魅力がある人ですね。

軽妙・軽薄に見せている兄と芯のしっかりした弟という組み合わせの妙と、この兄弟のやり取りを中心に、パク・シネ演じる柔道コーチと、近所の正体不明な(?)男を絡めて、全体にふんわり温かな空気が流れている作品なので心地よく見て行けます。映画のエンディングテーマはチョ・ジョンソクとド・ギョンスが歌っていますので、お聞き逃しなく。