韓流ソムリエ 田代親世の韓国エンタメナビゲート

『星に願いを』は、孤児院出身の少女が金持ちの家に引き取られ、その家族のいじめに合いながらも仕事に恋に成功をつかんでいくという韓国版『キャンディ・キャンディ』のようなドラマです。少女漫画が好きだったら、少女の夢がもろに実写化されているこのドラマはやはり外せません。

私が韓国ドラマにはまったのはこのドラマがきっかけ。中国でもこの作品が韓流を巻き起こしました。
９７年と古い作品なので、いま見るとファッションや化粧の古めかしさは否めませんが、アパレル会社の御曹司ジュンヒ（チャ・インピョ）と歌手のミン（アン・ジェウク）という二人の御曹子が登場し、華やかなアパレル業界と芸能界が舞台で、イタリアロケ、大金持ちの暮らしぶりなど、当時はまさしく夢のようなトレンディードラマでした。

孤児院育ちのヒロインがデザイナーを目指す過程で、御曹司たちからの愛を受け、仕事でも愛でも成功を手に入れる。まさに、シンデレラ・ストーリーの王道をいく作品ですが、何がいいって、漫画の『キャンディ・キャンディ』でいうところのテリーの役どころ、ミンを演じたアン・ジェウクの魅力です。
歌手役だったので、当時のアイドルたちに流行の、前髪を垂らしたヘアスタイルが今見るとちょっと独特ですが、母親を捨てた父に反発して孤独に育った彼がやっと見つけた愛のために、どこまでも駆けつける姿や、腕をグイッと強引に引っ張る仕草、極めつけは涙をキスで止めるシーン。見ていてこっぱずかしいですが、でも「ああやっぱりこういうの好きだわあ」と気づかされるはずです（笑）