韓流ソムリエ 田代親世の韓国エンタメナビゲート

『スターの恋人』は、国際的に活躍するセレブ女優と貧乏暮らしで偏屈な大学講師というまったく違う２人が織りなす、『秋の童話』『冬のソナタ』のオ・スヨン脚本家が手掛ける、ふわっとロマンティックな気分に包んでくれるラブストーリーです。

アジアで人気のトップスター、イ・マリの著書本の代筆をすることになった大学講師のキム・チョルス。住む世界の違う２人が出会って、芸能界という荒波にもまれながら、お互いにドラマティックに人生が変わっていきます。

おもしろいのは、芸能界を舞台としていて、チェ・ジウが彼女自身を彷彿とさせるような、アジアで人気の女優という役柄を演じていること。授賞式に出る時の衣装選びの様子やヘアメイクの先生とのやりとりが描かれたり、事務所の社長から「もう少し知的な面を出すために本を出そう」と言われたり、記者にでっち上げ記事を書かせたり、事務所の契約を巡るトラブルなども出てきて、韓国芸能界が透けて見え、まるでチェ・ジウ自身の女優ライフを覗き見しているような気分になります。

チェ・ジウのキュートな魅力満点

今まで「涙のヒロイン」と言われてきたチェ・ジウですが、このドラマでは、大人の女性のかわいらしさが全開です。とにかく愛らしくてかわいい！　ベタベタなかわいさではなくて、チャーミング。いたずらっぽく表情がくるくると変わってちょっとオードリー・ヘップバーンを思わせますね。

そして女優の役だけに衣装がとても素敵です。記者会見やレッドカーペットのシーンで見せる華やかなドレスももちろんきれいですが、遊園地に行ったり、写真を撮ったりというシーンで着ているカジュアルなファッションもかわいい。

前半は、ロマンティックなラブストーリーモードなのでキュートさ満載で胸キュンとなり、中盤から後半にかけて２人の恋が進展してくると、周囲の風当たりが強くなり、どんどん切ない方向へと進んでいくので、チェ・ジウの涙の場面も増えてきます。

共演のユ・ジテは、ドラマ初主演。「やっぱり映画の世界で鍛えられてきた人は違う！」と思えるくらいに魅力があり、見ていくうちにどんどん素敵さが増していきます。まず、背が高くて立ち姿がすっとしていて美しい。偏屈な大学の講師が、反発しながらもとまどってしまい、「違う」と思いながらもどんどんイ・マリに惹かれていく心の変化も繊細に表現していて、とてもいいです。

日本ロケ地と豪華カメオ出演にも注目

ドラマの前半では、マリとチョルスが日本を訪れ、旅するという設定なので奈良や大阪でロケをしたシーンがたくさん登場します。彼女が日本で滞在するお屋敷として使われた、奈良女子大学記念館もすごくきれいですし、その他にも東大寺や奈良公園、明日香村の伝板蓋宮跡、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、神戸の北野異人館界隈などを訪れ、これらの美しい風景が二人の愛の始まりを彩っていきます。韓国ドラマというフレームの中で、日本の風景を新たな視線で見ることができます。

また、イ・マリは、昔の恋人との心の傷を抱えた恋多き女性という設定。たくさんの交際相手の１人として、『天国の階段』で共演したシン・ヒョンジュンが顔を見せているほか、チ・ジニも共演俳優役で登場。「おまえ、最近恋してるだろう」と会話を交わしたりします。また、後半ではイ・ドンゴンも登場するなどのお楽しみもあります。

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