ドラマ解説

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強力おすすめ

タイトル 太陽を抱く月
韓国放送年 2012年 全20話
演出 キム・ドフン イ・ソンジュン
脚本 チン・スワン
出演 キム・スヒョン チョン・イル ハン・ガイン ヨ・ジング キム・ユジョン

【 ドラマ紹介 】

『太陽を抱く月』は、『トキメキ☆成均館スキャンダル』の原作者チョン・ウンゴルが書いた人気時代小説を『京城スキャンダル』『キルミー・ヒールミー』のチン・スワンの脚本でドラマ化。朝鮮時代の架空の王様の時代を背景にしたファンタジー時代劇で、韓国で、視聴率42%越えという大ヒットを記録したドラマです。

これは幼き日の忘れえぬ初恋を貫き通す若き王様の物語で、その初恋は大人たちの政治的欲望の犠牲になってしまうのですが、その後大人になって、その初恋の行方がどうなっていくのかが描かれます。

同時に世子嬪殺害事件のミステリーがどのように明かされていくのかにも注目です。衣装や美術がとてもきれいで、風雅な独特の雰囲気を持った作品です。フォン(暄)、ヨヌ(煙雨)、ヤンミョン(陽明)、ウォル(月)、ウン(雲)といった気象と関係した登場人物の名前も幻想的ですね。

二つの太陽(王)と二つの月(王妃)の物語

太陽は王様のことをさし、月は王妃を表しているのですが、王様とその地位を脅かす王の兄、王妃になるはずだったヒロインと父親の力で王妃に上った娘が登場し、本来一つづつあるべきなのにそれが二つあって混乱をきたしているというのがこのドラマの概念です。あるべきものが元の正しい位置に戻れるのか、よこしまな力で邪魔されてしまった運命はどうなるのか、というところがロマンと切なさを伴って展開されていきますが、同時に、望むと望まざるとにかかわらず、もう一つの太陽、もう一つの月となってしまった男女の悲劇的な運命性も描かれています。

なんといってもキム・スヒョン!

このドラマで大ブレイクを遂げたキム・スヒョンの凛々しくカリスマを感じさせる王様ぶりに胸キュン。朝鮮時代の王の衣装も本当によく似合っています。特に弓をする時に着る服のかっこいいこと! また、宮廷を闊歩する姿も、若いだけあって歩幅も大きいし、颯爽としています。さらに、走る姿も力強くて美しく、すべてのことに釘付けになりました。

この王様、幼い頃は純情で元気で明るい少年なんですが、最愛の初恋相手ヨヌを亡くしてから8年後、明るく優しかった微笑みは皮肉っぽいものに変わり、シニカルな王となっています。幼い頃に受けた傷が彼の中にずっと影響しているんだなということがわかるクールな感じがすごく良くて、嫌いな人には顔では笑いながらも徹底的に冷たくするなど、緩急のある演技で引きつけます。中殿に対しても、顔をグッと近づけたり腰を抱いたりして喜ばせておいて、胸につき刺さる言葉を平然と浴びせるんです。この容赦のなさに最高に萌えます(笑)

とにかくイケズなツンツン具合がよくて、「私がハンサムなのは知ってるが、そう見つめるな。確かにこんなにいい男だし、しかも王だしな」とシレッと言ったりするのも大好きでした。初恋相手とそっくりな巫女に対する心の揺れを表現する演技もツボでしたし、デレぶりも萌えポイントが満載。また、王と内官ヒョソンとのやりとりもとても微笑ましくておもしろいです。

魅力的な共演者たち

もう一つの太陽であるヤンミョン役のチョン・イルも、明るく磊落な男を好演しています。2番手にしかなれないという悲哀を胸の中に抱えながらも、異母弟のフォンを邪魔せずに生きるため、表面的にはユーモアをたたえながら過ごしています。いつも王様に譲らなければならない立場の彼が、初恋の人だけは自分のものにしたいと切実に願う切ない想いに、多くの女性が母性本能を刺激されることでしょう。丸顔で癒し系のハン・ガイン演じるウォルもとてもかわいいです。
ヨ・ジング、キム・ユジョン、イ・ミンホ、イ・ウォングンら、各キャラクターの子供時代を演じた若い俳優たちも6話までドラマを引っ張りました。特にヨヌの兄ヨムに扮したZE:Aのシワンは光輝いていて、“敵でさえ仲間になりたくなる魅力を持つ男”という役柄がはまっていました。また、大王大妃ユン氏役のキム・ヨンエ、ユン・デヒョン役のキム・ウンス、巫女ノギョン役のチョン・ミソンらベテラン俳優の演技も迫力があり、ファンタジードラマに真実味を与えています。

実は裏『冬のソナタ』だった…

よく見るとこのドラマは、初恋相手は死んだのだからそんなはずはない…と頭では否定しながらも、男はどうしても女に心惹かれていき、女の方は昔の恋人と気が付かずにこちらも惹かれていく…という構図。これは『冬のソナタ』の男女逆バージョンなんだなとわかるはず。『冬のソナタ』から10年以上経っても、「初恋」、「突然の死」、「記憶喪失」はヒット作品の黄金の要素なのだと再確認しました。
ヒロインが巫女という設定だったので、黒魔術や預言、他人の代わりに厄を受ける“厄よけの巫女”などが登場し、とても幻想的でファンタジー要素のある風雅な作品になっていて、こうした新感覚の時代劇の中で、韓流の〝王道〟が描かれたことが、かえって新鮮な感動を呼んだのかもしれませんね。

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…『魔女宝鑑』『雲が描いた月明り』『アラン使道伝』『夜警日誌

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