ドラマ解説

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タイトル 第五共和国
韓国放送年 2005年 全41話
演出 イム・テウら
脚本 ユ・ジョンス
出演 イ・ドックァ ソ・インソク イ・チャンファン

【 ドラマ紹介 】

『第五共和国』は、混乱の時代に、チョン・ドファン元大統領がいかにして政権を握り、そして死刑判決を受けるに至ったか、元大統領の栄枯盛衰を描いた本格的実録もの政治ドラマです。(死刑宣告を受け、その後恩赦を受けました。)

現在第六共和国の韓国、そのひとつ前の第五共和国とは、1981年3月から88年の2月までのチョン・ドファン政権の時代の国家体制(政治形態)のことです。

ドラマは、それに先立つパク・チョンヒ大統領の暗殺事件から始まり、それに端を発した混乱の中でクーデターを起こし、光州事件を経て大統領に就任したチョン・ドファンと、その周囲の人々が権力を求めてうごめく姿を、当時の証言や資料をもとに赤裸々に描いています。

韓国のベテラン男優勢ぞろいで、ときおり実際の映像を差し挟みながら、ナレーションとテロップが随所に入り、ドキュメンタリードラマのように緊迫感いっぱいに見せていきます。

チョン・ドファン、キム・デジュン、キム・ヨンサム、ノ・テウといった、日本人にもおなじみの有名な人物たちが登場。韓国のドラマや映画でよく出てくる歴史的出来事の数々が出てきますので、このドラマを見ておけば、今後さまざまな作品の理解の助けになるでしょう。特に15話から5回に渡って克明に描かれる光州事件での、一般市民が次々と軍の銃弾に倒れていくさまは、衝撃です。

それにしてもつい30年前のこと。政治的抑圧や動乱に、でっち上げに言論統制など、ドラマで描かれているあまりの強権ぶりには戦慄を覚えます。

いまだ健在の人々が実名で登場しますし、また歴史的評価もいまだに定まっていない現代史を描くだけに、制作陣も出演陣も細心の注意を払って撮影に挑んだというドラマです。

 

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