ドラマ解説

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タイトル 正祖暗殺ミステリー8日
韓国放送年 2007年 全10話
演出 パク・チョンウォン
脚本 キム・ウォンソク
出演 キム・サンジュン チョン・エリ パク・チョンチョル イ・ソンホ

【 ドラマ紹介 】

『正祖暗殺ミステリー8日』は、1795年、正祖が宮廷を離れ、父親の墓のあるファソンを訪問したときの8日間の道程にスポットを当て、この外出行事を背景に正祖暗殺を図ろうとする守旧派と、それを防ごうとする改革派。そこに謀反をたくらむ民衆扇動家たちも加わって3者の緊迫した息詰まる攻防戦が繰り広げられていくドラマです。

映画専門のケーブルテレビ局が満を持して制作した野心作で、テレビ映画を標榜し、『我らの歪んだ英雄』や『永遠なる帝国』などの作品で映画界を牽引したパク・ジョンウォン監督がメガホンを取り、撮影、照明、美術にCGなど、あらゆる分野で映画界の名だたるスタッフらが名を連ねて制作された完成度の高い名品で、ケーブルテレビ番組に新たな地平を開いたという高い評価を受けました。

晴れやかな空のもと、悠々と続く王(キム・サンジュン)の行列。その壮麗さとは裏腹に、その影で行われている緊迫した暗殺の攻防。それぞれの思惑が入り混じり、じわりじわりと‘その時’が近づいていく。この手に汗握る攻防戦とともにドラマの面白さとなっているのが、正祖の母親(チョン・エリ)の描き方です。

父親のサド世子の死を巡って正祖が母親に疑念を抱き、激しく対立するという、それまでの正祖ものにはなかった新たな解釈を加え、ドラマ『イ・サン』に登場する母親像とはまったく違った描き方がされているのが、本作に、より大きな緊張感を与えています。暗殺をめぐる息詰まる攻防戦と父親の死をめぐる母と息子のあいだに流れる確執と謎解き、そこに、時代に翻弄される若き恋人たちの恋の行方を絡めてうまく織り交ぜながらドラマは進んでいきます。

緻密な歴史ミステリー小説を読み解いていく面白さが感じられます。韓国では大変有名な歴史上の王とその周辺人物たちを描いているため、ドラマの中では背景などについても周知の事実として詳しい説明はありません。『イ・サン』をご覧になっている方は理解しやすいと思いますが、初めて正祖ものを見る方は、「高級官僚の勢力が強い政界で、権力維持のための激しい党派争いの末に企てられた一国の王の暗殺計画」として見れば、日本の事情にも通じるところがありますので興味深く見られるでしょう。

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・正祖についての理解を深めるために
…『イ・サン

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