取材レポ・コラム

コラム・取材レポ一覧に戻る

デビュー前は90キロの巨体!?「デビューのきっかけ」がかなりユニークなスター俳優

オリコングループ発行「月刊デ・ビュー」2007年5月号より※掲載元の許可を得て載せています)

以前は大学の演劇映画科出身だったり、テレビ局のタレントオーディションから俳優になるというケースが王道だった。今ではそこに、グラビアモデルやファッションモデルを経て俳優に転向するケースも増えている。今回はまた一味違った経緯を経て俳優になったスターを紹介しよう。

日本では『SSU』という映画や、4月15日からアジアドラマチックTV★so-net で放送が始まる『18・29~妻が突然18才?~』に出演しているリュ・スヨン。彼は『私の頭の中の消しゴム』でおなじみのチョン・ウソンに似ているとして評判になったほど美男俳優だが、昔はかなり太っていたという。なにせ小学校時代のあだ名が‘空飛ぶとんかつ’だったそうだし、高校時代には90キロに迫る勢いだったそうだから、なんとなく想像できるだろう。


ブルース・リーやジャッキー・チェンの大ファンで、大学では経営学科に入学し、入っていたクラブも伝統武技と合気道サークルだったそうだ。つまり俳優になることは考えてもいなかったのだが、大学時代にこのサークル仲間と一緒にテレビの素人参加の料理番組に出演したのが進路を変えるきっかけとなった。

リュ・スヨン本人にインタビューしたことがあるのだが、とてもクレバーな話し上手で、愛嬌がある実に素敵な人だったので、きっとこの番組に出たときも自然体でいい感じだったに違いない。この番組の製作スタッフから、別の番組にも出てみないかと声をかけられたのだという。その番組とは、一般人がダイエットに励むというプログラムで、それに挑戦してみないかと誘われたのだ。ちなみに現在よりも15キロ以上太めだったそうだ。もしもこのとき太っていなかったら、今のリュ・スヨンはいなかったかもしれない。

そうして2週間で7キロの減量に成功した彼は、痩せて今のようなハンサム顔が目を引くようになったのだろう、今度は番組のプロデューサーが芸能事務所を紹介してくれたという。そして程なくして、パク・ヨンハも出演しているシチュエーションコメディードラマ『ギプス家族』へと出演が決まり、あれよあれよという間に俳優になっていった。非情な悪役も演じながら着実に評価され、昨年はKBS演技大賞の男子最優秀演技賞の栄誉に輝き、嬉しさに号泣していた。

モデルから俳優へという最近多いパターンの中でも、もともと運動選手だったというのが『チェオクの剣』や『アイルランド』『プラハの恋人』のキム・ミンジュンだ。彼は高校時代は90キロを超える柔道選手だった。日本の大学への柔道留学も考えたことがあるほどだったが、足の怪我で断念した。そしてそんなに巨体だったとは思いもよらないほど、モデルとして魅力的なスタイルになった。昔から映画を見るのは好きだったが、俳優になりたいと考えたことはなく、なれたらかっこいいだろうと漠然と思っていたに過ぎなかったそうだ。それが、187センチの身長を生かしてモデルの活動をしていくうちに、俳優への欲が出てきたのだという。彼も作品への出演が途切れることなく続き、不器用ながらも真摯に役に取り組む姿勢がいつも評価されている。

俳優への道は千差万別だが、なってから、いかに認められ続けるかが肝心なのだ。