コラム・取材レポ

コラム・取材レポ一覧に戻る

パク・シフ

※2012年2月号「私の時間」(ヒロ・コミュニケーションズ)より

ヒロインを見守るミステリアスな弁護士を演じた『検事プリンセス』、人妻に恋をする御曹司を演じた『逆転の女王』が地上波で放送されて、そのロマンチックキャラで人気に火が付いたパク・シフ。

彼は遅咲きの花である。

田舎から上京して演劇から始め、兵役にも行き、2007年の『完璧な恋人に出会う方法』で大注目されるまで10年。その間なかなかぱっとせず、同僚の中には日の目を見られずに辞めた人も多いそうだが、パク・シフは忍耐強く一つ一つ階段を上って今日に至っている。涼しげな顔をしているが、内に秘めたる熱い情熱と根性は人一倍なのだ。役柄では口の達者な押し出しの強いキャラクターのイメージが強いが、素顔は面白いことを言って場を沸かせるタイプではなく、静かに淡々と語る姿がどこか不器用そうで好感を誘う。

今年は、朝鮮時代版ロミオとジュリエット的な悲恋物語『王女の男』で、恋した相手が父と兄を殺した政敵の娘だったという、運命に引き裂かれてゆく切々たる愛を演じた。風流を知る完璧な貴公子の姿から、家族を殺され、復讐を誓い、憤怒に燃え、愛に苦悩するという多岐にわたる感情変化を演じ切り、またまたドラマを大ヒットに導き、さらに人気を高めた。続けてヒットを出すことが難しい韓国ドラマ界にあって、彼は『完璧な~』から6作品連続でヒットを放ち、彼の演じるキャラクターも視聴者を恋煩いにさせるほどの魅力で話題になった。これはすごいことである。

魅力のポイントは特徴のある切れ長の目と薄く微笑んだ時の口元だろうか。時に艶っぽく、時に悩ましげにヒロインを見つめるまなざしと、片方の口角がしゅっと上がる笑い方。清潔感がありながらしっかり色気を醸し出す大人の男の魅力。白皙の顔が東洋美を引き立たせている。

そんな彼は現在念願だった映画に初挑戦している。しかも、かねてから時期が来たらやってみたいと言っていたサイコ的殺人者の役だそう。本人は「期待半分、心配半分」と語っていたが、またこれまでと違った彼の姿がスクリーンで見られるのが楽しみだ。