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チン・ヒギョン

※2001年4月発行「韓国エンターテイメント三昧vol.2」(芳賀書店)より

作りの大きなエキゾチックな顔立ち。テレビのインタビューでの話し方などから判断するに、性格は豪快で乗りのいい姉御肌といった感じの人である。

元はチェロを専攻する音楽大学の学生だったが、静かに座って楽器を演奏するのはあまり性に合わないと思い、学校を中退して1989年からモデルとして活動し始めたという。そしてモデルデビューした翌年の90年から6年間ずっと、その年の最高のモデルに与えられるベストモデル賞を受賞し続けたほどの、モデルの中のモデルだった。そして94年の『コーヒー・コピー・鼻血』から映画に出始めた。96年の『銀杏の木の寝台』では悲恋のヒロイン、古代からよみがえったミダン王女に扮した。いつも潤んだような悲しみをたたえた目を見ただけで、ミダン王女がいかに男と愛し合っていたのかが十二分に伝わってきたものだった。そう、この人は情感たっぷりの目が素晴らしいのだ。『ホリデー・イン・ソウル』では完璧な美しい足を持つ足モデルで、恋人を事故で失い自殺まで図ってしまう役。モデル出身のチン・ヒギョンのためのような役だ。

『モーテルカクタス』『ディナーの後に』では思い切った露出度の高いベッドシーンを演じていて、女優根性がある人だなあと感じ入った。この印象が強いせいか、なんか肉感的な情の深い人というイメージがある。この『モーテルカクタス』では共演者のチョン・ウソンが役に入り込んで無口になっていたため「無愛想な相手役だわ」と愚痴をこぼしたというが、ああいうシーンは女性の方が緊張するものだろうに余裕すら感じられるコメントだ。活躍の場は主に映画だが、98年には珍しくドラマ『白夜3.98』に出演した。北朝鮮高官の娘役で、戦争を背景に北朝鮮の通訳ガイド役のイ・ジョンジェと劇的な恋に落ちる。この人は劇的な愛が似合うのだ。このドラマのもう一人のヒロイン、シム・ウナが白いユリならチン・ヒギョンは情熱の赤い薔薇という感じである。

近頃は物語の中でポイント的に出てくる役回りが多い。映画『青春』では主人公の男の子から熱烈に愛され、その求愛にとまどう高校教師を、『僕にも妻がいたらいいのに』では、ソル・ギョングと偶然に再会してひとときの恋に落ちる大学時代の同級生の役。犯罪ミステリーの『ジャカルタ』でも、300万ドルを盗む計画を立てる女泥棒役。ナイスバディーにミステリアスな雰囲気を漂わせ、にっこり笑っておいしいところを持っていきそうな「ルパン三世」の峰不二子的なキャラクターを演じていた。少しの出演でも存在感とインパクトの強さが出せるため重宝がられているのかもしれないが、そろそろストーリーを引っ張っていくじっくりとした役のチン・ヒギョンを見たいものだ。