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チェリム

※2004年7月発刊「韓国はドラマチック2」(東洋経済新報社)より

ふっくらとした顔に甘ーい微笑みで見るものをホッと温かい気持にさせてくれる新世代スター。明るくて、健康で、あどけなくて、新世代のみならず子供からお年寄りまでファンの年齢層が広い女優さんである。

「チェリム」は彼女のファーストネームで、98年冬にパク・チェリムから「チェリム」に名前を変えている。この呼び名も彼女の愛くるしさを一層引き立てている感じだ。

芸能活動はけっこう早く中学2年の時から。雑誌のモデルとして表紙を飾ったのがきっかけでヘテ製菓からCF出演の依頼が来たという。そしてヘテを始めいろいろなCFに出演しているうちに今度はテレビ関係者の目に留まりドラマデビューを果たす。高校1年の時に出演したドラマ『カップル』での高校生役で一躍知名度が高まった。

チェリムの経歴を眺めてみると、俳優として2度の転機があったように思う。一度目は96年、高校2年の時。彼女としてはデビュー以来初めての試練にぶつかった。『娘の選択』というドラマで女子高校生の身でありながら大学生と恋に落ち子供を産む未婚の母という難役にキャスティングされたのだ。それまでの地に近い役とは次元が違い暗くて、憂鬱で重いイメージで、泣くシーンもとても多かった。しかし、いつもの自分が感じることのない感情を表現しなければならないという点で、真に演技の魅力を知ることになったという。インタビューなどでも今でも忘れられない作品としてあげている程思い入れの強かった作品だ。それまでは「ホームドラマのいい娘」というのがトレードマークだったが、『娘の選択』がきっかけで、オファーされる役柄も完全に変わってきた。98年の『ママの娘』では障害者になる役で、悲しみに沈んでこれもまたいつも泣いているような暗い表情のヒロインを演じている。2度目の転機は99年から始まったドラマ『カイスト』だった。ずっとホームドラマだったチェリムにとって初めての青春ドラマ。韓国の科学の天才が集まっている科学技術大学の学生たちの青春を描くドラマの中で、おてんばで自由奔放、男っぽい性格のチェヨン役を引き受けた。脚本家のソン・チナから電話で直接出演オファーを受けたチェリムはデビュー以来長く伸ばしていた髪をバッサリ切って、大きなイメージチェンジを図ったのだ。服装もカジュアルな大学生らしいものになり、甘やかな女の子らしさにボーイッシュな魅力が加わって女性ファンからの好感度も上がった。そしてこの作品で演技者としての地位も確立したのだ。そして『愛するあなた』では、クラスの模範生が新たに赴任してきた学校教師を恋するようになる役でMBC演技大賞人気賞、ベストカップル賞を受賞するなど更なる人気を獲得した。『娘の選択』といい、『愛するあなた』といい、ちょっとおませな感じの役が合うのかもしれない。

2000年には韓国で初めてアナウンサーを題材にしたドラマ『イヴのすべて』に出演。善と悪の2人の女性対決が話題になったトレンディドラマで、悪女役のキム・ソヨンの数々の策略に巻き込まれながらも物事を前向きに捉えて努力していく暖かみの滲み出る演技が好評を博した。

『女性万歳』の、しっかり者で男に頼らず自分の力で人生を切り開いていこうという独立心の強いがんばりやの女性の役や、特集ドラマ『エアフォース』で空軍の女性パイロットを演じていたりと、ここ数年は女性の職業ものへの登板が多い。韓国でもようやく制作されるようになった「女性の生き方」を描いていくドラマに欠かせない顔の一人となっている。

2002年には「星の王子様」と呼ばれている歌手のイ・スンファンと結婚し、女優業と奥様を両立している。