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チェ・ミンス

※2000年6月発行「韓国エンターテイメント三昧」(芳賀書店)より

骨太で、角張った顔立ち、「俺が男だ」といった頼もしさなど典型的な韓国人男性のイメージを最もよく体言化している俳優さん。韓国芸能界において、その存在はもはやカリスマとなっている。

父親は有名俳優で、国会議員にもなったチェ・ムリョン氏。しかし、恵まれた環境にありながらも1985年のデビュー後数年は売れずに苦労したらしい。90年には、朝鮮戦争で南に取り残された北のパルチザンを描いた問題作『南部軍』で詩人役を演じ青龍賞助演男優賞を受賞、それ以降頭角を現してきた。クールなタフガイイメージが強いが、90年代の初めは韓国映画のロマンチックコメディ路線の火付け役となった92年の『結婚物語』や、『ミスターマンマ』などでの等身大の30代男の役柄がはまっていた。時には弱くて情けない部分も見せる男性像は、香港映画でいうと、ケニーBが得意とした役どころ。テレビでも大ヒットを記録したファミリードラマ『愛は何だ』でお茶の間でも人気を博すようになった。

そんなチェ・ミンスが路線変更のきっかけとなったのは95年の韓国ドラマ界の金字塔『砂時計』。このなかで武闘派の主人公パク・テスを演じ、それ以降はドラマの中のタフガイイメージそのままに、影を背負った、アクション演技ものへの出演が続くようになる。95年大鐘賞や青龍賞で主演男優賞に輝いた『テロリスト』を始めとして『インシャラ』、『幽霊』、ドラマの『白夜3.98』などすっかりストイックな役が板に付くようになった。時には『ピアノマン』の長髪の変質的殺人鬼のような、良くこんな役引き受けたなあというようなものにも挑戦している。

94年に結婚したお相手がカナダに移民していた韓国人ということで韓国語より英語がうまいらしく、そのせいでチェ・ミンスの会話には良く英単語が混じるのだそうだ。そんなところがタフガイイメージとギャップがあって、親しみが感じられる。

最新作の映画『チュ・ノミョンのベーカリー』では妻思いのパン屋さんを、ドラマ『愛の伝説』では人妻となったかつての恋人と再会した弁護士というメロドラマを演じている。