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チェ・ジンシル

※2004年7月発刊「韓国はドラマチック2」(東洋経済新報社)より

90年代を代表する韓国の国民的人気女優。そのキュートな笑顔がチャームポイントで、30歳を過ぎてもお茶の間のアイドル的な存在である。

MBCの特別採用でデビューは88年。90年になってから「男なんて女の思いのまま」というコピーを流行らせた三星電子のコマーシャルで、ませてちゃっかりした新世代主婦のイメージで一躍注目を浴びるようになった。新世代を代表するスターにふさわしく明るくかわいく、純情な役が多い。

映画にも早くから進出し、90年にはパルチザンの末路を描いた映画『南部軍』で、新人ながらもアン・ソンギとほのかな恋を芽生えさせる看護婦の役で見るものをほっとさせるあどけない笑顔を見せている。

その後は出演する度にヒットして、着実にスターへの階段を上って行くが、何といっても彼女のスターの座を確実なものにしたのは92年のテレビドラマ『嫉妬』。幼ななじみの男女が嫉妬を通じて愛を感じるようになり結局はお互いを恋人として受け容れていくという、若者の愛を軽やかに描いたこのコメディードラマで主人公の女子大生を演じ、視聴率も56%を記録した。

映画でも『私の愛、私の花嫁』や『ミスターマンマ』など眼鏡をかけて名コメディエンヌぶりを発揮、かわいいけどちょっと気の強いお嫁さんのイメージが定着するが、自分のイメージを変えたいと、94年には映画『私は望む、私に禁じられたことを』で、人気俳優を監禁飼育して、男たちへの復讐を図ろうとするコワーイ女性相談所の相談員の役に挑戦した。確かに表面的にはイメージが変わったかもしれないがそれが合うかどうかとなると別問題で、個人的に正直こういう役はチェ・ジンシルにはあまりそぐわないと感じた。

こうした自己模索の時期は、存在感はそのままなれど、人気は停滞気味で「もうチェ・ジンシルの時代は終わった」との声も聞かれたが、96年末に公開された泣かせる名作『ゴーストマンマ』あたりから人気が再燃し始めた。

97年はまずドラマ『星に願いを』で恵まれない生い立ちながらもいじめにも気丈に耐えて夢を実現させるヒロイン役が受けて、続いてパク・シニャンと共演した『手紙』で夫に先立たれるけなげな妻を演じて観客の涙を誘った。

そして極めつけが97年秋から始まった週末ドラマ『あなたそして私』が視聴率60%を越すメガヒットとなり、連続3本ホームランという格好になった。97年はチェ・ジンシルにとって第2の全盛期となったわけだ。

年を重ねてもいつまでもかわらぬかわいらしさに演技力が伴っていっそう魅力的な女優となった彼女のギャラは、99年の『マヨネーズ』で世界的スター女優カン・スヨンをも抜いて女優としては史上最高額になった。

開けっぴろげで、すぐそこにいそうな女の子の役どころ同様に性格も飾らないタイプらしく、親しい友人たちとの会話ではお腹を叩きながら「見てみて、こんなにお腹のお肉つまめるのよ」とやって笑わせるらしい。

映画『燃ゆる月』では、長く現代女性の代表を演じてきた彼女が時代劇に挑戦。二人の男性から熱烈に愛される、運命的ないたいけな少女を演じ、とても実年齢を感じさせなかったのがさすがだった。

その後プロ野球選手で5歳年下のチョ・ソンミン選手と結婚し、「さすがチェ・ジンシル」と大きな話題を振りまくが、二人の子供をもうけながらも、2004年2月現在結婚生活は事実上破綻。残念な結果となってしまった。

今年は『嫉妬』でコンビを組んだチェ・スジョンとのドラマ共演で、再び本格的な芸能活動を始めるという。