コラム・取材レポ

コラム・取材レポ一覧に戻る

ソン・ユナ

※2004年7月発刊「韓国はドラマチック2」(東洋経済新報社)より

『ホテリアー』で、ペ・ヨンジュンから熱烈に愛されるうらやましい役を演じた女性としてインプットされている人も多いだろう。

実際『ホテリアー』は、作家がソン・ユナの性格にあわせてキャラクターを書き進めていったといっているだけに、おっちょこちょいで、おきゃんで明るいサザエさん的な部分は本人の地に近いと考えていいだろう。

最近はイベントなどでMCをつとめる姿をよく見かけるが、気品があって、チャーミングでしゃべり方が気さくで温かい、親しみが持てる憧れの女性という好位置をキープしている。

小さい頃から女優を目指していたそうだが、お堅い父親との約束で、大学の演劇科以外の学科に合格したら女優に挑戦してもいいとの許しをもらい、頑張って見事合格し、演技を学ぶことになったという。あの香港の監督ウォン・カーワイが、彼女が通っていた演劇学校に飾ってあったその写真を見てこの子は多分成功すると予言をしたそうだから、さすが名監督、見る目は確かだった。

そして1995年に先輩に強引に連れて行かれたKBSのスーパータレント大会で金賞を受賞して芸能界入り。だが様々なドラマに出演するも大きく注目されることはなかった。

それが、98年の大ヒットドラマ『ミスターQ』で、キム・ヒソン演じるヒロインをいじめるすごーいイヤなデザイン室長役を演じて人気爆発。品がありながらも冷たい外見の感じが役に合って、悪女でも人気が出るという珍しい現象を起こした。(でもこの室長は最後の3,4回ぐらいからぐっといい女に変わるから儲け役だったことは確か。)

それまでも演技力には定評があったが、人気も得たことで波に乗った。知的な外見から、『アドバケッ』のような弁護士ドラマでの敏腕検事役といったような、キャリア系の性格のきつそうな役柄が多いが、98年の『折り鶴』では、ナイトクラブのダンサーに扮し、ちょっとはすっぱながらも可愛らしいところもある女性を好演。この作品ではしっかり踊りも披露していた。

99年の『ワンチョ』では、チャ・インピョ扮する主人公の運命の相手を、時にはかわいく、時には気高く演じていて美しかった。

『バッドフレンズ』の彼女は、主人公のアン・ジェウクを幼いときから思い続けて晴れて恋人同士となるが、自分の父親と兄がアン・ジェウクの父親を陥れて…といったロミオとジュリエット状態になるお嬢様役。恋人役を演じたアン・ジェウクとは実際にもロマンスが芽生えたそうだが、程なくして終わってしまったという。

この人の場合、大人の女性を演じてもいつもどこかに少女らしさを残しているのがいい感じだ。

しっかり者の役が多かったソン・ユナがちょっとのんびりしたお嬢さんを演じた『恋するツキノワグマ』での演技は印象的だった。ぽわーんとして言いたいことも言えない純な女性。いつも心細そうで、エリートの婚約者とは全く正反対の男に惚れていく。こんな抜けた役も上手だなあと感心。やはり演技派なのだと実感した。

映画への本格的な出演は『不朽の名作』から。好きな人に思いを打ち明けられない内気なシナリオライター役をしっとりと演じている。

『光復節特赦』での弾けたコメディー演技も大好評。服役している恋人を待ちきれず他の男と結婚するというホステス?の役。泣いたり笑ったり叫んだり、ソル・ギョングとチャ・スンウォンと3人で、ひと時もじっとしていない見事なお笑いアンサンブルをかもし出した。