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コ・ソヨン

※2004年7月発刊「韓国はドラマチック2」(東洋経済新報社)より

韓国映画界を背負って立つトップ女優の一人。韓国ではこの手の気の強そうなきつね系の美女がたいそう人気がある。男の征服欲を刺激するからだろうか。

実際、『KUMIHO-千年愛』という、愛する男を食い殺さなければならない宿命を背負った狐の妖怪役でスクリーンデビューした。

しかし、日本の男性からは「新宿にたくさんいそうじゃん」と言い放たれてしまい、コ・ソヨンほど日韓の男性の女性の好みがはっきり分かれる女優もいないかも。

コケティッシュで、弾むような新世代的魅力を持った現代美女。頬がぷっくりしているところが松たか子を髣髴とさせる。

中央大学演劇映画科3年の時芸能界デビューするが、コ・ソヨンの名を一躍知らしめた出世作は1993年のドラマ『ママの海』。この中で率直な性格の現代っ子を演じたコ・ソヨンは若い女性達の共感を呼びコ・ソヨン族を生み出した。コ・ソヨンのように着飾り行動するという、日本でいう安室奈美恵をまねたアムラーのような現象だ。ドラマが終わっても今日に至るまで、変わらずコ・ソヨンは若い女性達のファッションリーダーである。

日本のファッション雑誌「JJ」が、98年のアジア美女の特集で、韓国代表としてコ・ソヨンを選んだのもうなずける。

映画女優としての位置づけが決定的となったのは2作目の『ビート』から。将来を見失った優等生役で、勝気で強気で大人びているという青春映画のヒロインを印象付けた。その後フォトジェニックぶりをいかんなく発揮してラブストーリー作品に出演してきた。

韓国版『ノッティングヒルの恋人』の『日が西から昇るなら』では、野球の審判員と恋に落ちる人気女優の役を演じ、トップスターという本人と同じ設定だけに、コ・ソヨンも演技していないときはこんな感じなのかなと思いをめぐらせることが出来る楽しい作品だった。

1999年11月にこの映画のプロモーションで台湾を訪れた際には、セクシーな女優ということで「東洋のキャサリン・セタ・ジョーンズ」と呼ばれていた。

そんな洗練された都会の女性の象徴だったコ・ソヨンだが、映画『ラブ』では長かった髪をばっさり切って役作りをし、飾らない純情な女性を演じて新しく生まれ変わった。

彼女自身はドラマの『ママの海』『追憶』映画『ビート』を代表作にあげており、『日が西から昇るなら』は第2の演技人生を始める作品と位置づけているようだ。

しかし、視聴者から絶大な支持を受ける一方で、ぽんぽん飛び出す率直な物言いとおてんばな行動、しかも人見知りする性格で周囲の誤解を受けやすい人でもある。とにかく目立つ存在だけにその言動が何かと物議を醸すのだ。女性陣からは「素敵なお姉さま」という声と「ブリっ子が鼻につく」という声とに評価が分かれているそうな。

チョン・ウソンとは共演も多く、ビジュアル的にお似合いのカップルということで2人そろってCMにも出演している。

そんなトレンディー女優の彼女が『エンジェル・スノー』で切実に子供を欲しいと願う妻の母性を情感たっぷりに演じるまでになり、すっかり大人の女優としてスクリーンを彩るようになったことが感慨深い。

『二重スパイ』もこの路線で、感情を抑えるしっとり系の役だった。

2003年には芸能生活の集大成として写真集も出している。韓国ではスターの写真集自体が珍しいのだが、ヌードというわけでもない30過ぎの女優の写真集が人気を博したのもコ・ソヨンならでは。