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クォン・サンウ②

※2010年10月号「私の時間」(ヒロ・コミュニケーションズ)より

8月5日は『天国の階段』や『悲しき恋歌』などの作品でおなじみのクォン・サンウのお誕生日。ということで、当日はもちろん、誕生日を挟んで東京と神戸で4日間のバースデーイベントが行われた。私はそこで司会をしたのだが、改めてクォン・サンウって本当に愛すべき人だなあと感じたのである。

性格的にせっかちらしく、深く考えるというよりは、その場で思いついたことをさっとやってしまうタイプなのだが、その‘さっと’の内容が光るのである。

その本領が発揮されたのは、抽選で選ばれたファンがカードをひいて、そこに書かれていることをサンウさんと一緒にやるというコーナーだった。内容は事前のアンケートで集まった、ファンがしてほしいことベスト10が入っていたのだが、握手とか、目を見つめ合って10秒とか、ハグとか2ショット写真とか、手をつないで散歩などなど。これを彼は、思いっきりドラマチックに自ら演出してやってくれたのだ。

例えば、ハグの場合、じゃあこれは『天国の階段』風にやろうといって、ファンを後ろ向きに立たせて、そこに駆け寄って腕をとって振り向かせ、「行かないで」と言ってギュッギュッと抱きしめるという感じ。大好きな人にこんなことをされたファンはもう失神寸前で、腰が抜けてへたり込んでしまっていた。こんな感じで、2ショット写真を撮る人とは、普通じゃつまらないからといきなりファンをお姫様抱っこしてポーズを決めて見せたり。持ち上げられたファンも「ええっ!」とビックリ仰天。でも思いっきりやったあとは、自分もやってしまったことに照れながら、ヘナヘナになってしまったファンに「大丈夫でしたか?」という風に礼儀正しくいたわったりして、この強引さとやさしさの緩急が乙女心をわしづかみにしていた。

思ったことをそのまま口にしてしまったり、気持ちが表情に出る正直な人なので、これまでも発言の揚げ足を取られたり、またスキャンダルにもあったりして、ファンにとっては気をもむことも多い人なのだろうが、子供のように無邪気で茶目っ気があり、なおかつシャイに微笑む彼を前にすると、みんなその魅力に抗えなくて、やんちゃな子を見守る母親のように応援に力が入ってしまうのだと思ったのである。