コラム・取材レポ・ブログ

コラム・取材レポ一覧に戻る

キム・ヘス

※2004年7月発刊「韓国はドラマチック2」(東洋経済新報社)より

ボリューム感たっぷりのダイナミックボディーのキム・ヘス。

ドラマ『愛の群像』では愛にうぶな大学講師の役を演じてシリアスな面を見せているが、本来、彼女のナイスバディーから繰り出される明るいお色気はコメディエンヌを演じさせるとこの上なくかわいい。

チェ・ジンシルが韓国のメグ・ライアンなら、キム・ヘスは、ゴールディン・ホーンか飯島直子といったところか。テコンドーの有段者で、体育会系の美女である。

俳優生活は人よりも早く中学生の時、86年『カンボ』で始まった。既に15年のキャリアを誇るせいか、映画・ドラマの出演作も数多く、既にベテラン女優の貫禄がある。

90年代前半の作品は興行成績があまりよくなかったが、95年の『ドクターボン』がその年の興行成績でトップになるなど、以後ヒット作に恵まれるようになった。

この『ドクターボン』で演じているのは、ハン・ソッキュ演じるプレイボーイの歯科医とけんかをしながらも惹かれあっていく気の強い現代女性。少々しゃがれた声がキンキン怒鳴ってもうるさく聞こえないのが貴重な存在だ。

98年の『チム』は、友達が次々と結婚してしまい、あせってお見合いを重ねるオールドミスの役。弟の友達を演じるアン・ジェウクから好かれるが、年下男は全く眼中にないという気のいいキャラクターだった。

ここではアン・ジェウク始め、男3人がかりで酔っぱらったキム・ヘスをものすごーく重そうに運ぶシーンがあったし、99年の大ヒットドラマ『グッキ』の中でも幼なじみと大人になって再会した時のセリフで「こんなに丸々しちゃって、わからなかったわよ」などと言われていた。いいのだろうか?女優を捕まえてこういった言動を平気でしてしまって。きっと、もうそういうキャラクターで通っているのに違いない。

芸能番組などに出てくるキム・ヘスを見ていると、開放的なイメージで、どちらかというとアメリカ的な匂いのする女優だ。だからか、アメリカ映画の「ニューヨークディドリーム」にも出演して金城武やミラ・ソルビーノと共演している。

98年の9月からはトークショー『キム・ヘスプラスユー』の司会進行も担い、時には露出度の高い胸元を強調させたような大胆衣装で話題を振りまいた。あれでは呼ばれたゲストもリラックスして話をするどころかドキドキしてしまうのではないかと心配になるほどだった。

99年に入ってからは、まずドラマ『愛の群像』がカルト的人気を博した。また後半に出演したドラマ『グッキ』は、一人の女性が困難にめげずに製菓会社を作るという細腕繁盛記(決して細くはなかったが)で、彼女の持つバイタリティーが女事業家のそれに見事マッチして作品的にも演技的にも大好評を得た。

テレビでの活躍が目立っていたが、2001年には『風林高』という人情アクション・コメディーに出演。イ・ソンジェ、チャ・スンウォンというニ大スターから恋されるラーメン屋の女店主の役だが、豪快で、かわいくて、乱暴で、お酒に酔うと手に終えなくなるキャラクターをチャーミングに演じている。

キム・ヘスはこのシナリオを読んで自らキャスティングして欲しいと監督に直訴したそうだ。その甲斐あって作品は大ヒットした。

『THREE臨死』という韓国、香港,タイの3カ国のホラーオムニバスにも出演したり、ドラマで「チャン・ヒビン」という歴史上有名な悪女を演じるなど、硬軟達者なエンターティナーらしく、ひとつのイメージに縛られることなく多彩な活躍を見せている。