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キム・ナムギル

※2012年6月号「私の時間」(ヒロ・コミュニケーションズ)より

NHK‐BSで放送された『赤と黒』で、炎と氷が同居したような瞳、危険でいながら、すがるような瞳で母性本能をくすぐってくる男を魅力いっぱいに演じたキム・ナムギル。

2003年にテレビ局のタレントオーディションに合格したものの、合格してすぐに交通事故にあい6カ月の入院生活を余儀なくされたという挫折から始まった。その後も、演技力はあるし、気になる存在ではあるのに、なかなか日が当たらない俳優だったが、2009年、『善徳女王』のピダム役に抜擢され、危険な冷たさと、人懐っこさとを併せ持つセクシーな荒馬のような人物として、すべての女性の心を奪って大ブレイクした。

まだブレイク前の2008年、彼が初来日したときにインタビューしたことがある。なんとなく神経質な人を想像していたのだが、ぜんぜん違って、さわやかで、カジュアルで、何にでも興味津々の人好きのする好青年だった。先輩俳優にかわいがられると聞いていたが、さもあらんという感じ。インタビューの最中に、目の前に出された果物をものすごく嬉しそうに食べて、思わず顔を突っ伏しながら「うー酸っぱい」と体中で表現していたのもとてもかわいかった。ざっくばらんにしゃべる人なので、つい話が長くなりすぎて、韓国では記者の人に「もういいよ」と言われたこともあるらしい。

2010年、大ブレイク後に来日したときにも取材に行ったが、以前会った時よりもさらにかっこよくなっていて、あいかわらずマイペースで好奇心旺盛な面白い人だった。初来日のときと印象がぜんぜん変わっていなかったのが嬉しかった。

2010年7月に軍に入隊。以前に交通事故にあっているからか、軍の部隊に行く代わりに公的機関で働く、公益勤務要員としての入隊。勤務時間後は時間が取れるということで、昨年からは、サイバー韓国外国語大学に入学して中国語を専攻して勉強中だそう。今年の7月には軍の除隊が予定されているが、かねてから、「軍にいるあいだ、どのような生活を送るかで今後の自分が決まるはず」と話していただけに、人間としての深みを増してどんな演技を見せてくれるのか、期待が膨らむばかりだ。