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キム・ジェウォン②

※2011年12月号「私の時間」(ヒロ・コミュニケーションズ)より

元祖‘殺人の微笑み’といえば、キム・ジェウォンだ。彼の人気が大ブレイクしたのが韓流ブームよりちょっと早い2002年のドラマ『ロマンス』で、ここ5年は軍に入隊していたこともあり韓国のドラマに出ていなかったので、最近の韓流ファンにはあまりなじみがないかもしれない。『ロマンス』では女性教師に一直線に思いをぶつけていく高校生を演じ、こちらの顔がとろけてしまいそうななんともいえない笑顔と、青年らしいふてぶてしさも持ちあわせていて、思いがけない低音の声も魅力的だった。『ファン・ジニ』(06年)にも大人の愛のかたちを表現する役で出演しているが、それ以降お茶の間から遠ざかっていた。そんな彼が今年1月に軍を除隊して戻ってきた。2月には大阪で、そして8月には東京で軍除隊後初のファンミーティングを行ったのだが、全体にすごくスリムになって、大人びた雰囲気が漂っていた。私はずいぶん以前に何度か彼のイベントの司会やインタビューをしたことがあるのだが、当時から、どんなに大変な状況でもニコニコと穏やかな笑顔を絶やさない姿やものの考え方、行動などを見て、「若いのに人間の出来た人だな」と感動する場面が多かったのだが、それでも本人いわく、入隊前は人間として深さがなかったのだという。それで軍にいる間に本を300冊読んだり、軍の中でいろんな人たちと付き合うことで成長したのだと語っていた。また、以前はドラマのスタッフにお酒好きが多いと自分も飲んでしまうという、周囲の状況に流され易いタイプだったそうだが、そんな自分を「前はプロ意識に欠けていた」として、軍を除隊後はダイエットで8~9キロ減量し、「プロになりました」と笑いながら語っていた。

良い人なのに、デビューしてすぐにブレイクした後はなかなか自身を大きく打ち出せる作品に巡り合えていなくて残念だなと思っていたが、除隊後にすぐ主演したドラマ『私の心が聞こえる?』では、耳に障害を持つ御曹司を演じて、彼の演技が大好評。彼の第2の俳優人生が華やかに幕を開けたのを嬉しく思った。