取材レポ・コラム

2017イ・ドンウク ファンミーティングレポート

 

(写真提供A・R・A)

 

6/30日、練馬文化センターで行われた
イ・ドンウクのファンミーティング
「2017 LEE DONG WOOK ASIA TOUR in JAPAN 4(for) My Dear」
イベント。

 

現在Mnetで放送中の『鬼トッケビ』の魅力的な死神役で、
韓国では第3次くらいの全盛期を迎えているイ・ドンウク。
アジアツアーということで、ソウルから始まり、
シンガポール、香港、タイ、インドネシアに続いて日本。
「日本の方々は毎年のようにファンミをしてよくお会いしているので、
友だちに会うようなリラックスした穏やかな気持ちでいられます」
と言っていましたが、
今回初めてファンミに参加したという新規のファンが多く、
改めて『鬼トッケビ』人気を実感したのでした。

 
ファンミの前日に東京入りし、
東京に着くなり牛カツを行列に並んでまで食べたそうです。
そんな近況や来日の話題が終わるとおもむろに
「今日は特別ゲストが来てくれています」
と司会からのアナウンスがあり、
イ・ドンウク氏が
「特別な特別な恩人のような方です」
と言って紹介したのがなんと、
『鬼トッケビ』のキム・ウンスク脚本家。
『太陽の末裔』も『シークレット・ガーデン』も『相続者たち』も
彼女の手によるもので、もう大人気作家です。
これには会場中のテンションが上がりました。

(写真提供A・R・A)

 

「新しいドラマの準備中ですごく忙しい中わざわざ来てくださり、
改めてありがとうございます」
とドンウク氏が言うと
「かっこいい男子に呼ばれたので駆けつけました!」と先生。
「先生はこういう席初めてなので緊張しているから皆さん大きな拍手をお願いします」
と、ドンウク氏は、普段とは勝手が違って緊張気味の先生を気遣っていました。

『鬼トッケビ』について聞かれると、
「素敵な俳優たちと莫大な予算を投入する作品なので、
高い視聴率を取らなければと、
キザなクサいセリフを一生懸命に考えて作った作品です。
それをしゃべる俳優たちが大変そうでした」

「僕の方からやりたいと志願して、
先生が受け入れてくれて出るようになったんです。
やりたい役だったし結果も良くてとても幸せに思っています」
とドンウク氏。

「イ・ドンウクさんの死神役は先生から見てどうでしたか?」
と司会から質問が出ると、
「え、それを僕の前で聞くんですか?」とちょっと苦笑い。
「ドンウクさんが聞いてないと思うので言いますけど(笑)、完璧でしたよ。
最初ドンウクさんの方から死神役をやりたいと言われて、私の方こそ光栄でした。
撮影が終わって酒飲み友達になりました。
韓国で彼のように色白で唇が赤いのは、まさに死神のイメージなんです。
もはやドンウクさん以外の俳優が思い浮かびません」
とユーモアのある先生のお答え。
また、
「東京に着いてからドンウクさんからたくさんごちそうになりました。
ホテルまでお世話になってしまって、なので、とてもいい人です(笑)
ユーモアセンスがあって本当に面白い人ですし、
まわりに気が配れる人ですね」
と褒められると、
「あー恥ずかしい。今晩も僕がごちそうします」
と大いに照れて語るドンウク氏。
すかさず
「あら何を食べようかしら。皆さん、何が高いものか教えてください」
と先生が客席に問いかけると、
「寿司!」という声が飛ぶ中、
ドンウク氏は客席に「しっ」言っちゃだめだよという仕草をし、
「吉野家、吉野家」と。
そんなお茶目なドンウクさんに会場は大爆笑でした。

キム・ウンスク作家曰く、
「私のこれまでの作品は、深みのない視聴率だけが高いドラマと思われてきましたが、
『鬼トッケビ』では深みも出てきたと評価されたので、
私にとってはとても大きな意味を持つ作品になりました。
イ・ドンウクさんの素晴らしい演技のおかげで深みも増したと思います」
ということで、見どころを聞かれて
「人と人の関係の話もありますが、
人生や死に関する話でもあります。きっと日本の皆さんには
楽しんでいただけると思います。
というのも日本の皆さんは深みのあるストーリーが好きだと聞いていますので。
そして最初から最後まで素敵なコン・ユさんイ・ドンウクさんが
出てますのでどうぞ楽しんで見てください」
と答えていました。

ここで先生のコーナーは締めくくられようとしたところで、
イ・ドンウク氏が先生を引き留めるようにして質問を。
「日ごろから先生に聞いてみたいことがあったんです!
「怖いわね~」
「難しくないけど記者のような質問になっちゃうかな」
と前置きして、
「いつもヒット作を書かれていて、どれだけ稼いだんですか?」
と爆笑を誘った後、
「それは冗談で、本当に聞きたいのは、
アイデアや素材はどこから出てくるんですか?」
と真剣質問を。
「いくら稼いだかの方が答えやすいわ~」と言いながら、
先生は、
「インスピレーションはなかなか降りてこないです。
机の前に座って降りてくるのを待ち続けなければなりません。
私も朝机の前に座って、アイデアが出てくるまでずっと考えるんです。本当に一生懸命に」
そして最初の質問の答えは…
「ドンウクさんに夕食はおごるくらいは稼いだので、今晩は私がごちそうしますよ」
とこれまた、先生のドラマの中に出てくるような
小粋でウィットに富んだセリフの返しで、先生さすがでした!

(写真提供A・R・A)

 

そしてドンウクさんはここぞとばかりにもう一問。
よっぽどいろいろ聞いてみたかったんですね(笑)
「こうやって聞くのは僕も初めてなんですが
『鬼トッケビ』ご覧になりましたよね?
僕の演技の中で名演技と思えるのは作家の視点から見てどこでしたか?」
ここで先生からは、
「●●のシーン!」と即答だったのですが、
そこはネタバレになってしまう部分なのでここではカットしますね。
(※一番下に書きますのでネタバレOKの方だけ見てください)

で、ドンウクさんは聞きたいことが聞けて満足げに、
先生の肩に両手を置いて優しくエスコートして
先生を舞台袖まで見送っていきました。
ここでさらにドンウク氏の口からサプライズな発言が。
「実は監督もいらしているんです。
日本でファンミやるので遊びに来てくださいと僕が招待したのですが、
監督は、自分はトークがうまくないのでステージには上がれないと言ってました。
僕も監督のその判断は正しいと思います(爆)」
なんと、監督と脚本家を自分で招待していたんですね。男前です!

トークコーナーの後は、
ファンから寄せられた私の好きな『鬼トッケビ』ベスト3と
イ・ドンウク自身が思うベストオブベストのシーンが紹介されました。
が、ここはかなりネタバレを含むので、
差し支えない部分だけ紹介すると、

ファンのベスト1に選ばれたのは、
イ・ドンウクとコン・ユが逆光の中をかっこよく並んで歩くシーンでした。
ここ、なんでもトッケビと死神の背景の色が違っているのだそう。
それぞれのキャラクターを際立たせるために監督の工夫なのだとか。
細やかですね~。よく見ないと全く気が付きませんが、
そういう細部にまで気を遣って作られていたんですね。

また逆光ゆえに息を吐くと白い息が映ってしまうので、
監督から息をしないで歩くように言われて
コン・ユさんと一緒に「1,2,3ハイッ」と息を止めて歩いていたのだそうです。
息が苦しくても表情はかっこよく見せて…。
だからカメラを通り過ぎたとたんに
「はぁ~」って息しながら撮っていたのだとか。
(※ベスト1,2とドンウクさんのお気に入り場面は一番下に書きます)

 

(写真提供A・R・A)

『あなたの願い叶えます』のコーナーがあり、
「ドンウクさんに付き合ってくださいと告白したい!」
というファンの方が登場し、
ドンウク氏から
「シングルなんですか?」と聞かれると
左手にはめている指輪を隠すように
グーにして背中に隠し、その行動に会場も大受け。
「ドンウクさん!付き合ってください!」
とファンから勢いよく手を出され
ドンウクさんは迷いながら手を握り返したものの、
「ごめんなさい。この指輪の主人公の方にもっと優しくしてあげてください」
とやんわりとお断りしながらも、
優しくハグしてあげたのでした。

こんな感じで、
ファンの願いを叶えたり、
ファンからの質問を会場に降りて直接受けたりという、
ファンと直に触れ合うコーナーが続いたのですが、
全般にどんなシチュエーションにおいても、
ドンウクさんは突っ込み入れながらも
言葉にも仕草にも優しさがにじみ出ていました。
ちぐはぐな会話のやり取りになってしまっても
一生懸命に相手と目を合わせて答えていましたし。

韓国から来たという中学3年の女の子が、
韓国に戻って3日後に試験があると聞くと
「勉強しなきゃいけないのに何でここにいるんだ!」と突っ込みながらも、
クラスで何番?と聞いてあげて2番と言った彼女に、
「勉強もっと頑張って今度こそ1位になれるようにね!」
と励ましていました。
たとえきつく突っ込んでも、そのあとに必ず優しい言葉で
フォローが入るんですよね。
今回それが特に印象に残りました。


またファンと一緒のジェスチャーゲームも
「面白いなあ」を連発しながら、
すでに舞台の上にいることを忘れているかのような表情で
ゲームに夢中になってやってました(笑)。
中学生の男の子って感じで、
ご本人の言葉通り、
すごくリラックスしてそこにいるのが見て取れて微笑ましかったです。

(写真提供A・R・A)

最後は歌の披露。
「下手なのに歌わないで~と言う方もいますが、
でも最後まで我慢して聞いてください」
と前置きして、自身が出演したドラマ『風船ガム』の中で歌った歌
「君に向かう僕の時間」をそ~っと歌いだすドンウクさん。
「他のドラマに出て歌わない以上ずっとこの歌を歌います。
10年くらいこれかも…(笑)
ずっと歌っているので上手くなっているかも。
僕の歌の実力が発展していくのを見ていてください」
と言って最後まで笑わせてくれました。
最後に、
「今日は本当にとても楽しい時間でした。
今年中にまた良い作品をやりたいと思っています。
僕の思ったようにはならないので、
いろいろ大変な思いをしながら選んでいます。
できるだけ早く良い作品、良い役に出会って、
皆さんにドラマを通じてご挨拶できるように頑張っていきたいと思います」
と挨拶をしてファンミーティングは幕を閉じました。

いやあ、面白かったです。
今回初めてイ・ドンウクさんのファンミに参加したという人も
彼の飾らない人間力にきっと虜になったことでしょう。

 

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以下、『鬼トッケビ』のネタバレがあります。
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●キム・ウンスク脚本家がドンウクさんの演技の中でこれは名演技だと思ったシーンは?
の答えは…
「ワンヨ!
とても悲しくて心が痛むような悲痛な表情を浮かべるワンヨの演技が
とても良かった。またあのような髪形で、
次も時代劇に出てくれたらいいなと思います」(キム・ウンスク作家)

●『鬼トッケビ』のファンが選んだ名場面ベスト3
死神が最後に見送るのがサニーだったという場面。
「このシーンを撮った時は僕自身もぐっとこらえるくらい
哀しいシーンでした」(ドンウク氏)

●名場面ベスト2
サニーの前世を呼び起こすためにキスするシーン。
「普通キスは愛を確認し合うためですが、あのシーンでは
前世を見るための道具として使われたので、
その設定がとても独特で面白かったです」(ドンウク氏)

●イ・ドンウク自身が選んだベストオブベストの場面は…
13話の高麗時代のワンヨと現代の死神がリンクするシーン。
「死神の過去が明らかになって、トッケビとの関係や様々な秘密が
明らかになるのが13話でした。撮影の時もすごく泣きました。
ワンヨの部分は風邪をひいていて体調が悪くて大変だったけど、
それがワンヨのキャラクターとぴったり合っていて、監督からも満足げに、
具合が悪い方が良い演技ができるなあと言われました(笑)」(ドンウク氏)
ちなみにここはキム・ウンスク脚本家のお気に入りのシーンでもあったとのことでした。

 

2017.7.3 執筆