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ペ・ヨンジュンとの体面・鑑賞記

※2004年7月発刊「韓国はドラマチック2」(東洋経済新報社)より 記事の転載はご遠慮ください

<2002年3月>
ほころぶ笑顔はまさしくミニョン
『冬のソナタ』の終映パーティー会場で実物と初対面。会場に入ってくるなり、席についていたスタッフ?か関係者に握手を求め、労をねぎらいながら一番前の自分の席へ。劇中でもDJを務めたユ・ヨルさんが司会する中、次々と挨拶が行われ、その間取材陣のカメラ攻勢にあっていたが、表情は硬いままで、少々お疲れ気味?の感じで、イメージとしては高校時代のチュンサンだった。しかしケーキカットの頃になると気持ちもほぐれてきたようで、笑顔がほころぶように。パーティーの後半のインタビュータイムにはすっかり打ち解けた感じでミニョンになっていた。
今にして思えば、インタビューインタビューしたかしこまった感じでなかったのが幸いしたのか、構えず、すごく自然な感じで話をしてくれたのがとても印象的だった。

<2003年10月>
アジア組が大挙押しかけコンサート会場のような熱気
釜山映画祭で上映される、初主演映画『スキャンダル』の舞台挨拶に登場。夜の9時すぎからの上映だったが、場内はシンガポールや台湾などのアジア組が大挙押しかけていて、おそろいのTシャツを着て横断幕を持ったり、さながらコンサート会場のような熱気に満ちていた。上映後はさっそうとスーツ姿で登場。ゆるくパーマがかかったヘアスタイルで映画の中のプレイボーイとは全く違うプリンスぶり。すでに公開されて映画がいい評価を得ている自信からか、ほころんだ笑顔は余裕たっぷりで、カメラマンに向かってくるっと一回転して見せたり茶目っ気も見せていた。会場からのQ&Aにも時折ジョークを交えながら答えていたり、堂々たるもので、インタビューが苦手と言われていたのが嘘のようだった。

<2003年11月>
幸せを呼ぶ左手小指に光る指輪
ソウルのシェラトンウォーカーヒルホテルで行われた日本のファン900人との対話イベントにて。長い足を組み、片ひざの上で両手を組んで、その姿勢を崩すことなくかすかに微笑を浮かべながらインタビューに答えるさまは、パーッと光が差しているように見えた。当日夜中までツアーに来てくれたファンのためにサインを書いていたということだったが、疲れを見せないところはさすが。左手小指に光る指輪について質問すると、「これがジンクスといえばジンクスですね。幸せを運んでくれるんです。これは『スキャンダル』のときからしていて、また新しい作品に入れば違うものに変えますよ」とのことだった。

 

<2004年4月>
すごく会いたかったです、今、とっても幸せです
5000人が羽田空港で出迎えたペ・ヨンジュンの来日。翌日のファン交流会では白いジャケットにグレーのパンツで登場。少しはだけた胸元にはクロスのペンダントが光っている。「みなさん、こんにちは。始めまして、ペ・ヨンジュンです。すごく会いたかったです。今、とっても幸せです。」と丁寧にゆっくりと日本語で挨拶。(客席はキャーと大拍手)それに応えるようにゆっくりと、そして小首をかしげながらにこやかにかわいく手を振る。両手でマイクを握って大事そうに胸元に持ってきてしゃべったり、しぐさがとても女性らしいのもこの人の特徴だ。
このときペ・ヨンジュンの方から、「皆さんの顔が見たいですよ」と客席の明かりをつけてもらうようにリクエストがあった。今、こういう配慮ができる人っているのだろうか?ちょっとびっくりすると共に、本当にファンとの交流を楽しみにして来たのだなあと実感。客席が明るくなった。(キャー)、(ヨンジュンシー)(オッパー)(サランヘヨー)との声がひっきりなしに飛ぶ。しかし、風邪をひき体調が悪い事を裏付けるように、どこかボーっとした熱っぽい感じが伺えて、本調子じゃないことがありありだったが、ファンの歓声が飛ぶと口元を緩めて手を振り返す。通訳から日本語訳がしゃべられている間、ヨンジュンは客席をいとおしそうに目を細めて見つめていた。2階席にもしっかりと目を配り、ファンの熱気を噛み締めているようだった。

会場のファンからの質問に答えるコーナーでは、あらかじめ集められたファンからの質問を箱に入れ、その中からヨンジュンが選び、司会が読み上げる。この質問用紙を司会者に渡すときも必ず左手を右腕の下に添えて渡していた。韓国のマナーであるとはいえ、一つ一つのしぐさが丁寧で優雅である。
このあとは協賛社によるプレゼントの抽選会が行われたが、当選者にはペ・ヨンジュンから商品が手渡された。そして両手をやさしく広げ、ファンをしっかりと抱きしめてあげる。右手で背中をポンポンポンと温かく叩いてあげるのも忘れない。

みなさんの愛情を一生忘れません
最後に日本のファンにメッセージをといわれると、再び「客席を明るくしてください。皆さんの顔を見たいので」と一言。そして、「皆さんの愛情一生忘れません。皆様の愛情にこたえることは素晴らしい演技を見せること、そして人間として素晴らしい生き方をすることだと思います。これからも一生懸命生きます」との言葉に会場は大拍手。そして最後の最後の締めくくりは日本語で、一言一言を噛み締めるように、しっかりと挨拶してくれた。「今、とっても幸せです。私が頂いたその愛情を一生忘れません。また会うその日までお元気で。さよなら」。こんなに長いフレーズを日本語でしゃべれるなんて。丸暗記したとしても具合が悪いのに、良くぞここまでと感心。「日本に来るからには日本の文化や言葉を勉強してから出なくては」と常日頃から発言していて、そんなに堅苦しく考えずとりあえず来ればいいのに・・・と思っていたのだが、交流会や記者会見での言動を見るにつけ、この人は本当にいろいろと日本について勉強をしてきたのだなあと実感。有限実行の誠実さにまたもや感動させられてしまった。

それにしてもペ・ヨンジュンは「ウーン」「アー」「オー」といった、次の言葉を捜しているときに口に出る感嘆詞(?)すら、低音のビブラートが効いていて色っぽいというか、熱っぽいというか、なんとも素敵であることも再認識した。
後日写真撮影の取材に立ち会ったとき、写真を撮っている合間にちょっとお話をうかがわせてくださいというと、「喜んで」とこれも日本語で応える。ずいぶん勉強されたんですねというと、「少しだけです」と日本語で返って来た。他にも
「本当に暑いですね」「お疲れ様でした」「ちょっと待ってください」などなどが発せられ、雑誌の表紙に書かれているカタカナも読んでたし、これはかなり勉強したと見た。サインも「おしあわせに」とひらがなで書いていたし、すごいなあ。

すべてを包み込む優雅で優しい微笑み
今回特に感じたのは、微笑がいいだけの人なら他にも居るが、ペ・ヨンジュンの場合内面からにじみ出るものが違うのだということ。「最善を尽くして皆様をがっかりさせないよう頑張っている姿をお見せしたいと思います」と記者会見で語った言葉どおり、自分に厳しく、自己啓発を怠らない、その生きる姿勢がにじみ出る。生き方の美しさが笑顔に出てくる。まさに‘貴い’という字がぴったりな高潔な貴公子ぶり。
一見高貴で気軽に近づけないような雰囲気を醸し出しながらもすべてを包み込んでくれそうなやさしい微笑で、近づいてもいいのかなあという気にさせてくれる。優雅でやさしげなしぐさ、繊細で女性的な感じを見せながらも、180センチの長身で鍛えぬいた体は男らしい。そのバランスが絶妙なのだ。そして、極め付けが、匂いたつ色香が漂い、何を考えているのか読みにくい危険さを秘めていること。これだけ条件が揃ってしまうとやはり並みの男性では太刀打ちできなかろう。ただ、これでは完璧すぎるので、今後はそこに‘ほころび’や‘隙’が加わってくれるともっと人間味が感じられていいのになあと勝手に思っている。