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チャン・ヒョク 修行僧のような真面目さ

2009年1月発行「恋する韓流」(朝日新聞出版より) ※記事の転載はご遠慮ください

『ありがとうございます』(07年)や『不汗党』(08年)、『明朗少女成功記』(02年)などの作品で知られるチャン・ヒョク。
作品から受けるイメージは、やんちゃでちょっとぶっきらぼうな人という感じだが、実際はものすごく真面目キャラな人である。
二〇〇四年に、映画『僕の彼女を紹介します』のPRを兼ねた済州島でのイベントで彼がチョン・ジヒョンと共に出演したとき、司会をしたことがある。そのときは「おとなしくて真面目で優しい人」という印象を強く感じた。
何よりも、周りを見つめる瞳がとても優しげで、ファンにプレゼントをあげたりするときの仕草がとても丁寧でソフトだったのだ。

それから二年間の兵役勤務を経て、いろいろなものがそぎ落とされ、絞られ、ますます格好良くなって彼は再び表舞台に表れた。
しかし、真面目度には更に磨きがかかったようで、インタビューでの受け答えなどは、もう修行僧のようだった。
例を挙げれば、
「人生は肯定的、否定的考えの両方を持っている。こうすればうまく行く、いや、ダメだろうという考えがぶつかり合う……。たとえば、朝起きて、もう少し寝ようか、それとも起きて何かしようか、靴は右から履こうか、左からにしようか、というように、人生はささいなことから常に選択の岐路に立たされている……」
というように始まって、哲学的というか、人生論に発展していく。

そんなにたくさんのスペースが割けない雑誌のインタビュー記事としてはまとめづらかったりするので、彼に取材したことがあるライターたちのあいだでも、彼のことを「すごく深みのある人」という人もいれば、「真面目すぎて面白くない人」という人もいて、そのライターが取材で何を求めていたかによって評価が両極端に分かれる人かもしれない。

確固とした自分の世界を持っているので、場を沸かせるサービストークというよりは、深くしんみりと語り合うのがふさわしい人だと思う。


来日初ファンミで司会をしたときも、煩悩がなくなりました、という印象で、本当に澄みきった美しい目をしていた。
そんな瞳でこちらの目をジッと見ながら話してくれるものだから、ドキドキしてしまい、目のやり場に困ってしまった。
そしてドラマ『ありがとうございます』の記念上映会の舞台挨拶でご一緒したときのこと。
通常舞台挨拶などの場合、俳優さんが挨拶し終わって先に退場し、そのあと場を締めてから司会が退場する。だから、たいてい俳優さんは先に控え室に戻っていたり、すでに次の仕事場所に移動していたりするのが普通だ。なのに、このときは、私が退場すると、扉を出たすぐの非常階段のところでチャン・ヒョクが立っていた。
なんだろう、こんなところにいたらファンの人に囲まれちゃうのに……と思ったのだが、彼は私を見て「お疲れさまでした」と挨拶をして、そして非常階段の後ろに消えていった。
それで思った。もしや彼は私に挨拶するためにわざわざ待っていてくれたのではないか、と。
なんて気遣いのある人なのか、と感じ入った。
いや、さすがに深い人だ。

 

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