取材レポ・コラム

『王は愛する』撮影現場リポート⑤護衛武士役の新人俳優インタビュー

 

(左がジェホさん、右がキ・ドフンさん)

<ジェホ>
1992生まれ。185cm
韓国外国語大学(英語、中国語専攻)在学中

<キ・ドフン>
1995年生まれ。188cm
15歳でソウルコレクションデビュー

 

シワン演じるワン・ウォンの護衛武士に扮しているのが、新人の二人。
背が高くてパッと目を引くイケメンたちなので、ドラマが始まったら注目を集めそうです。
ジェホさんは現在韓国外国語大学在学中で、中国語専攻ということもあり、中国で映画やドラマに出演した経験があるそう。一方のキ・ドフンさんはモデル出身でSMエンターテインメント所属。
2人ともオーディションに合格して役を射止め、この『王は愛する』が本格的な韓国ドラマデビュー作になるそうです。そんな初々しい彼らのインタビューです。

 

――ドラマ内での役名と役割、主要キャストとの関係など教えてください。
ジェホ:チングァン役です。ウォンの側近の護衛役です。王の影のような存在で常にウォンについてまわり護衛する感じです。シワンさん演じるウォンですが、王らしくない性格で、「できるなら自由にさせてくれ、常に近くにいなくてもいい」と言うんです。ですから屋根の上から王を見張っていたりして…。でも「来い!」と言われたらすぐ駆けつける、そんな感じです。チングァンは常に真剣で生真面目。王に「何食べたい?」と聞かれても「何と言われても…」と真剣に悩むんです。視聴者のみなさんから見たら、彼の真面目さが可笑しく見えるでしょうね。

ドフン:チャンウィ役です。僕もチングァン同様、護衛です。しかし彼とは正反対の性格で…。どちらかと言えばクールですね。真剣に悩む彼に対して、何も考えず軽く“そんなに悩まなくても”とか“普段通りでいいじゃん”とか言うタイプですね。

ジェホ:彼は僕の生真面目さにブレーキをかけてくれる存在です。これってアクションスクールでもそうだったんです。先生から実技の課題をもらい真剣に悩む僕に“そんなに真剣に考えこまなくってもいいですよ。もっと気を楽に持って!”と後押ししてくれました。僕らはいいコンビだと思います。脚本家先生が実際の僕らを活かしてキャラクター設定されているので、本当によく描かれていると思います。ドラマ内での僕ら二人のやり取りはお茶の間に笑いをもたらすでしょうね。

――アクション訓練はどのくらいしたんですか?何かエピソードはありますか?
ジェホ:アクションスクールに2か月間通い、1日中みっちり練習しました。運動は普段からしています。でも、僕は運動神経があまり良い方ではないようで・・・。スクールではドフン君も一緒でした。彼は運動神経が良く僕をサポートしてくれて助かりました。練習中、お互い支え合ってきました。そのおかげもあってか今では兄弟のように親しくなりました。

ドフン:初めて会ったときは、少し気まずい雰囲気でしたものね。

 

(ジェホさん)

――アクションスクールでのエピソードなどあれば
ジェホ:練習中はヒヤッとすることが多かったですね。アクションの練習って少しの気の緩みが怪我につながるんです。ちょっとしたことで打撲は当たり前で、骨折することもあったり…。ですので、ドフンと二人、お互い気をひきしめて練習しようと意気込んでいたのですが、先生からはもっと緊張しろ!と、よく言われました。幸い大きな怪我はありませんでした。スクール内では集団行動をすることが多く、まるで合宿をしているような気分でしたね。大変でしたが楽しかったです。

――俳優になろうと思ったきっかけは?
ドフン:僕はファッションモデルをしていました。ウォーキングでどう感情表現をするかにチャンジしていましたが、演技には表現の幅というか自由な感じがあり、笑ったり泣いたり色んな感情表現ができるのが、とてもカッコよく見えました。そこから演技をしてみたいと思うようになりました。

ジェホ:僕は幼いころから勉強一筋みたいな感じでしたね。中学、高校と先生の指示に従い大学へ行ったのですが、もう僕の進路に対してああしろこうしろと指示してくれる人がいないことに気が付いたのです。その時、自分は何のために勉学に励んだのかを考え、特に目標を持たずただ頑張るだけだったのではと思ったんです。だったら、これからは自分がしたいことをしようと決心しました。その当時ドラマや映画を見ていて、自分も人々の心を動かせる、誰かに影響を与えられる人、俳優になってみたいと思うようになりました。次第に運が向いてきたのかいい機会にめぐり合い、このようになりました。

 

(キ・ドフンさん)

――目標としている俳優さんはいますか? もしくは理想としている人物像などあれば。
ドフン:先輩方はテレビで見るより、実物の方が数倍カッコいいですね。尊敬しますし憧れます。現場に来るまでは、ほかはどうであれ、主人公が一番カッコいいに違いないと思っていましたが、今では全員カッコよく見えますね。主演であろうと脇役、そしてスタッフ関係なくすべてにおいてです。不思議ですね。

ジェホ:まだ駆け出しですが…、以前とは見方や考え方が変わりましたね。以前はアクションとか見ても、“おー、カッコいいなー!”とだけ思いました。今は自分が演技をしてみて分かったのですが、俳優たちがたった一つのアクションを成功させるために費やす努力や時間は多く、裏に隠れていた様々なことに目が行くようになりました。特定の誰かではなく、出演されているすべての俳優さんたちが素晴らしく思えますね。早く現場に慣れ、ドラマの一員として役を担っていきたいです。僕の目標は、視聴者の方が安心して見られる、実力ある俳優になることです。

 

――護衛という役なのでシワンさんと一緒にいることが多いと思います。彼について印象などお聞かせください。
ジェホ:僕はシワンさんが出演した作品をすべて見ているので、第一印象は“あ、テレビで見た人だ!”でした。実際会ってみたら何ともいえない不思議な感じがしました。彼がトップスターなので、なんだか近寄り難いな~と勝手に思い込んでいましたし、変に近寄ってもどうかなとも思っていました。でも、シワンさんがあまりにも親切に“ジェホ、こっちおいでよ!”“一緒にご飯たべようよ”と気軽に接してくれるので、とてもありがたかったですね。誰に対しても気遣いが半端ないんですよ。僕は人見知りで自分から話せないタイプでして…。だからシワンさんには本当に感謝しきれないです。彼には人を惹きつける力があり、存在感がすごいですね。

ドフン:僕も同感です。シワンさんは面倒見がよく、みんなに気を配ってくれます。彼の人を気遣う優しさにとても感謝しています。現場では怒られたりもしますが、それでも先輩方と仲良く撮影できています。僕も現場の雰囲気に早く慣れ、ドラマの一員としてしっかり役をこなしていきたいですね。ユナさんとは同じ事務所ということもあり、親切にしてもらっています。先輩たちみなさん、とても後輩に優しいですね。

――役の衣装を着た自分を見てどう思いましたか?
ドフン:不思議な感じがしましたね。意外にサマになっているなと(笑)。

ジェホ:感激しましたね。とうとうここまで来たんだ!夢にまで見たドラマに出演するんだと。その反面、もっとしっかりと演技の勉強をしなければとも。先輩方の演技を見たあとで自分が演じるのですが、やはり力不足を感じますね。だから早く一人前の役者になれるよう努力を惜しまず頑張りたいと。演技だけではなく、後輩を思いやり、場の雰囲気を明るくするそんな存在になりたいですね。

――アクション以外で演技の練習はされてきたのですか
ジェホ:ええ。してきましたし、今も習っている最中です。

ドフン:僕も習っている真っ最中です。

――今後どんなキャラクターを演じてみたいですか?
ジェホ:まだ演じて間もないこともあり…。あれがしたいこれがしたいと言える段階でもなく、どんな役でも演じてみたいです。でも、今は目の前に課せられたチングァンという役に徹することだけを考えています。今後いろんな役を演じてみて、初めて自分の中で演じてみたい役が見えてくるのではと思っています。

ドフン:ジェホさんと同じですね。まあ、強いて挙げるとすれば、『私のオオカミ少年』でソン・ジュンギさんが演じた役ですね。

――時代劇はやはり演じていて難しいですか?
ドフン:「楽しい」、の一言に尽きます。服装も普段と違っていて。ほら、見てください。ドラマと同じでジェホさんはまた悩んでいますよ~。ね(笑)!ジェホさん(時代劇の撮影)楽しいでしょ(笑)!

ジェホ:護衛の役が僕一人だったら…。多分悩むことが多いだろうな~。僕と違ってドフンは前向きでプラス思考ですから、本当にいい影響を受けていますね。そういうこともあり、とても楽しく撮影に挑んでいます。彼とは性格が真逆なんですが、会って話すと気が合いますね。時代劇だから(演じるのが)難しいとは感じませんね。

――記憶に残ったシーンなどは?
ジェホ:最初の撮影です。アクションシーンの撮影でしたが、2か月特訓したので、“ココが見せどころ”だと思いました。撮影中ずっと緊張しっぱなしで、実際演じたら難しかったですね。撮影が終わりシワンさんが「さっきのシーン見たけれど、案外身軽だね」と言ってくれました(笑)。

ドフン:すべてを鮮明に覚えていて、何が一番とは決めづらいですね…。ジェホさんは運動が苦手みたいですが、トークは好きみたいで(笑)。彼はジョークをよく飛ばしています。

――日本には行ったことがありますか?
ドフン:ありません。僕には兄がいて彼は英語が堪能です。二人で口喧嘩をするとき彼は英語でまくしたてます。だから僕は日本語で反撃しますが、まだまだ勉強不足で…(笑)。

ジェホ:僕もありません。僕が聞いた限りですが、日本のビールが最高だとか。どれほどの味なのか、ぜひ飲んでみたいですね。

 

新人らしい意気込みが伝わって来て、インタビュー現場にもさわやかな空気が広がりました。生真面目君と自由奔放なタイプという真逆な2人は、話を聞いているだけでも二人の良いコンビネーションが伝わって来て、彼らがドラマの中でもちょっとホッとする場面を創り出してくれそうな期待が広がります。

 

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2017.2.26執筆

 

※衛星劇場で8月1話先行プレミア放送。9月より本格放送スタート!
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