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新人の登竜門のような番組は?

オリコングループ発行「月刊デ・ビュー」2005年10月号より(※掲載元の許可を得て載せています)

日本では今ではあまり見かけないが、ドラマが大好きな韓国では、普通のドラマに加えて、シットコムと呼ばれるシチュエーションコメディードラマが大人気。各局、少なくともひとつはプログラムを持っている。学校なり、病院なり、家なり、舞台やキャストはそのままで、毎回違うエピソードを扱う、軽く笑って楽しむコントドラマだ。

一口にシチュエーションコメディーといってもその性格付けも様々で、学園を舞台にし、7時前後に放送される‘青春シットコム’や、大人向けに、夜の11時ごろに放送されるもの、9時台に放送されるホームコメディーものもある。以前MBC放送局のプロデューサーにインタビューしたことがあるが、シットコムは、ドラマ局ではなく、芸能局が作っているということで、さもありなんという感じのジャンルのドラマだ。

一般的なシットコムは、月曜から金曜まで毎日放送され、たいていは俳優の名前がそのまま役名となって登場したりするので、新人でも視聴者から顔と名前を覚えてもらい易いという利点がある。そのために、これらのシットコムで新人たちが注目を集め、これまでに数々のスターが輩出されてきた。『夏の香り』のソン・スンホンや、『オールイン運命の愛』のソン・ヘギョ、『バリでの出来事』のチョ・インソン、『オオカミの誘惑』のチョ・ハンソン、そして今年視聴率50%を突破した『私の名前はキム・サムスン』というドラマで大人気になったヒョンビンもシットコムを経てスターへの階段を上がっていった面々だ。

最近では歌手も演技をするようになったが、まだ本格的な演技に慣れない歌手たちが最初に演技に挑戦する場としてちょうどいいのか、シットコムに歌手が出演するケースが増えている。SHINHWAのメンバーの、チョン・ジン、アンディ、イ・ミヌや、他にもイ・スンギなどなど、多くの歌手が出演し、演技経験を積んでいるのだ。

もうひとつ、最近そうした演技に挑戦するのに格好の修行の場となっている番組が「反転ドラマ」というもの。これは毎週日曜日に放送されるバラエティー番組の中のひとつのコーナーなのだが、二つのチームに分かれて、それぞれが、最後にどんでん返しになるような20分くらいのドラマを演じて、どちらが面白かったかを競うというもの。昨年から始まったが、最初はSHINHWAのエリックが登場して、チンピラ、ボディーガード、刑事、パティシェ、銀行員、高校生、ロボットなどなど、毎週様々なシチュエーションでいろいろな役柄に挑戦していて見ていても非常に面白かった。その後もRAIN(ピ)や、元GODのユン・ゲサン、SHINHWAのアンディなどなど、もっぱら歌手たちの登板が続いている。この番組も、アンディに言わせれば、日曜日に放送されているため、家族揃って見てもらえるから、歌手しかしていなかったときに比べ、ファン層が子供から主婦まで大きく広がったのだそうだ。

こうした場が豊富にあればあるほど、新人であっても演技経験も数多く踏める。おまけにファン層も広がるというのだから、一石二鳥なのだ。

延長戦コラム

シチュエーションコメディーで人気が高かったのは、大学の下宿に暮らす6人の男女を描いた『男女6人恋物語』や、産婦人科の家族を取り巻く、看護婦や患者たちの騒動を描いた『順風産婦人科』など。既に放送は終了したが、これらは700回近くまで放送されたほどだ。

『順風…』は、おじいちゃんの院長先生から子供に孫まで、幅広い世代の出演者たちが出るホームコメディーだけに、ベテラン俳優から新人までを配し、若手にとっても演技の勉強の場として恵まれた場だったことがうかがえる。

ほかに、初の大人向けシットコムを標榜して始まったのが、2000年~2001年にかけて放送された『俺たち3人組』。高校時代の同窓生で、31歳の独身男性3人を軸に、職場の同僚や、家族らが入り乱れて繰り広げられるコミカルな日常と恋愛模様を描いていた。なので、出演陣も、中堅の個性派俳優3人に、当時はまだ歌手だったイ・ドンゴンらの若手を組ませて展開していた。

また、若手スターを多く排出したのは、大学のキャンパスを舞台に、若い学生たちの姿を愉快に描いた『ノンストップ』シリーズ。現在第5シリーズまで作られているが、このなかの『ニューノンストップ』には、草なぎ剛もゲスト出演を果たしている。