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韓国ドラマに欠かせない子役は、芸能界で大成するのか!?

オリコングループ発行「月刊デ・ビュー」2005年6月号より(※掲載元の許可を得て載せています)

現在NHKBSで放送中の『宮廷女官チャングムの誓い』を始め、映画『ボイス』など、数々のドラマや映画を見れば分かるように、韓国の子役はものすごく演技が上手だ。だが、名子役、必ずしも名俳優にならずで、やはり韓国でも子役出身のスターが大人の俳優へと上手に移行するのはなかなか難しいらしい。

映画『風のファイター』や『受取人不明』などの映画作品で主役を務めるヤン・ドングンも子役出身の俳優だ。彼は9歳のときにドラマでデビューし、KBS放送局の子役演技賞や百想芸術大賞子役賞を受賞するなど、‘演技の神童’と呼ばれた過去を持つ。だが、その分仕事が忙しく、勉強がおろそかになってしまったという。

「勉強で落ちこぼれてしまって…。中学に上がり、これではいけないと思って勉強を再開し、一時芸能活動を中断しました。高校でも勉強を頑張っていたんですけど、やはり壁にぶつかってしまって、にっちもさっちも行かなくなってしまいました。そんな時、自分が中学から一番熱心に取り組んでいたのがダンスだったので、勉強よりもダンスに打ち込もうと思ったんです」

学歴社会の韓国だけに、芸能人といえども勉強のことは日本以上に重要なこととして考えられていたようだ。

「僕の周りにも同じような子役出身者たちがたくさんいて、みんなが大人の俳優への移行に難しさを経験しているのを目の当たりにしていたんです。自分も確かに心配もあったんですが、それほどそれに気を取られませんでした。とにかく自分はやりたいものをやり通すということ、そのときはダンスだったので、好きなダンスを一生懸命やっていればいいと思ったんです」

そして、ちょうどそのころに、『チャン』という、高校を舞台にした青春映画への出演が決まったという。「その映画はダンスとラップも出てきますし、自分が最も好きなことを最大限に表現することができる、しかも芸能界でということで、とてもいい仕事に出会えたんです。それで今に至っているようなもので…。結論としては一番好きなことを一生懸命やっていれば大丈夫なんじゃないかと思いました」

こう語るように、ヤン・ドングンはその後も着実に実績を積み重ね、2001年には韓国映画界の鬼才キム・ギドク監督の『受取人不明』で、無骨な韓米ハーフの青年を演じて演技者としての評価を得、一躍注目される存在になった。そして、その個性的な顔立ちと、独特な存在感で、ドラマ・映画で立派に主役を張る人気スターとなっている。

『秋の童話』でソン・ヘギョの子役時代を演じた1987年生まれのムン・グニョンは、12歳からCMで活動していた。『秋の童話』は13歳のときで、その後も順調に出演作を増やしている。昨年日本で公開されたホラー映画の『箪笥』では主人公姉妹の一人を演じ、また初夏に日本公開が決まっている『マイ・リトル・ブライド』では、高校生ながらも祖父の取り決めで大学生の男性の幼な妻になるという役でヒロインを演じている。ここまではまだかわいい子役のイメージが正直ぬぐえていないが、18歳になる今年は、『ダンサーの純情』という映画で、少女が夢を追いながら、愛に目覚めていく初のメロドラマに主演する。ここでの演技がどうかによって、彼女の今後が占われるだろう。

延長戦コラム

今後が楽しみな韓国子役スターたち

日本で放送されている韓国ドラマでおなじみの現役の子役たちといえば、『宮廷女官チャングムの誓い』のチョ・ジョンウンがいる。1話から5話までの登場だったが、その後もときおり回想シーンで顔を出す。彼女は96年うまれ。400人のオーディションから選ばれた。当初はチャングム役ではなく、その友人にキャスティングされていたが、演技練習のときにその魅力に魅せられた監督が、急遽チャングムに抜擢したという。不ぞろいの歯で一生懸命に話をする姿は、この上もなく愛らしい。

そして『パリの恋人』のヒロインの従姉弟の少年役の、キム・ヨンチャン。94年生まれの10歳だ。『パリの恋人』では、ちょっと大人びた物言いをするませた男の子を演じていたが、3年前の『ピアノ』という作品では、父親が死んだ日からしゃべれなくなった少年に扮し、母親の死に接して「おかあさ~ん」と叫ぶ場面があったが、なんてうまいんだろうと感嘆してしまった。つぶらな瞳に涙をいっぱい浮かべて不憫を誘う演技のうまいこと。本人も泣く演技には自信があるようで、成長が楽しみな子役である。