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友人の紹介で成り行きデビュー。事務所に所属せず活動する異色の人気俳優、リュ・シウォン

オリコングループ発行「月刊デ・ビュー」2004年11月号より(※掲載元の許可を得て載せています)

10月からNHKの地上波で放送が始まる韓国ドラマ『美しき日々』で、イ・ビョンホンの義理の弟として、チェ・ジウ演じる一人の女性を巡って火花を散らすことになるソンジェを演じているリュ・シウォン。彼は他のスターたちとは一味違った演技者人生のスタートを切り、そして現在も独自のスタンスで仕事をしている。彼は元々美術の道へ進もうと大学で美術を専攻していた学生だった。しかし、中学・高校と同級生の友人がデビューして大人気の歌手になり(キム・ウォンジュン)、その友達からお前も芸能界へ来いよと誘われたのだそうだ。何でも学生時代はこの歌手の友人と学校での人気を二分していたそうだから、当時から雰囲気がスマートでその辺の人とはちょっと違うものをかもし出していたのだろう。そして、ちょうど若手でいい人材を探していたドラマの監督に紹介され、オーディションを受けることになり、合格してしまったのだという。このときの監督が『冬のソナタ』でおなじみのユン・ソクホ監督だった。

韓国俳優の王道路線のように、どこかで演技の勉強をしていたわけではないのに演技を始めることになった。みようみまねながらも、演技でなく感情が自然に見えるように努力して挑んだ結果、友達の彼女に片思いする脇役だったが、女性視聴者から共感を得て支持された。そしてすぐに次のドラマにもキャスティングされ、こうして自然な形で俳優になっていったという。これが1994年のことだった。

その後しばらくしてから、やはり自分の仕事に対する専門知識や理論を体系的に学ばなくてはと思い立ち大学の演劇映画科に通いだした。この辺がえらいところで、他の俳優でもやはり活躍しだしてから再び大学や大学院に通いだす人が結構いる。チャン・ドンゴンやイ・ビョンホンなどもそうだ。

またリュ・シウォンはデビュー当時から事務所に所属せず、現在に至るまでも個人で活動している俳優だ。始めた頃は、それこそメークも衣装コーディネートも自分でやっていた。最近でこそ、手伝ってくれるスタイリストをつけるようになったらしいが、とにかく、美術センスにはうるさいだけあって衣装にはこだわりがあるので、生地から選んで自分流にオーダーメードで仕立てることが多いのだそう。監督たちとも自分で渡り合って話をし、仕事を決めていくのだとか。

この「‘自己管理’がきちんとできること」が韓国では重要な要素で、他の俳優も自己管理がしっかりできる人が多い。というのも韓国芸能界はマネジメントがハリウッドシステムに近いところがあって、日本のようにデビュー以来同じ事務所に長年いるということが決して普通ではない。‘情’の国とはいいながらも、この辺は合理的というか現実的というか、結構シビアで、2年契約ならその契約が終わったときに更に高い契約金を出してくれるところに移ったりする。だからこそ、俳優自身も次に更に高い価値を持って移れるように、常に自分を磨いていなければならない。自分のことは自分で責任を持ってやらなくては次に続かないのである。この厳しさが俳優たちの成熟感につながっているような気がする。

コラム延長戦

俳優だけでなく、MC、歌手、カーレーサーなど多彩な顔を持つリュ・シウォンがこのたび日本で本を出した。その名も「リュ・シウォンの美味しい誘惑」という料理本だ。韓国で99年に出版され10万部というベストセラーの翻訳本だが、料理が大好きなリュ・シウォンがおいしいと評判のお店を訪ね、シェフからメイン料理の作り方を教わるという企画もの。取り上げている料理は韓国風の多国籍料理だ。それらの作り方レシピを始め、チェ・ジウを初めとした芸能界仲間もコメントを寄せたり、彼の小さい頃や、家族の写真など貴重なショットにインタビューなどなど、ファンにとってはたまらないビジュアル本となっている。ちなみに韓国ではスターの写真集があまりない。これまで話題になったのは、ウォンビン、歌手のSHINWHA、女優のコ・ソヨンぐらいだろうか。出しても売れないからというのがその理由だそうだが、そのため、こうした企画本の中に写真を入れ込んで写真集を兼ねることがある。なので最近、イ・ビョンホン、チャン・ドンゴン、パク・ヨンハなどの韓国スターが日本で写真集を出すのも本人たちにとってはかなり新鮮なことに違いない。

 

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